第17話

 たぶんなにを言っても。きっと感触なくすり抜けていくのだろう。ヴィズは先に目を逸らした。


「……そう」


 と、力無く。一度家に帰って、熱いシャワーを浴びながら考えをまとめたい。今後、どうするのか。どうしたいのか。なんだか今日は。疲れた。


「ベアトリスさんと……」


 まだそこが気になるベル。チラチラと観察して様子をうかがう。


 呆れつつも、自分で振った話題だとオーロールは反省。しかしこの子も。色んな意味で注目している。


「あぁ、その話か。ま、なんでもいいじゃない? 面白そうだからね。必要とあらば、ヴァイオリン弾くよ。そういうの、ガラじゃないんだけどねぇ」


 ただ、猫のためのヴァイオリン。それでよかったら。キミ達に付き合おうか。

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