ミッドナイトグローリー

連修大

はじまり

変な夢を見た気が、するけど、覚えて

なかった。

ベッドから起きてキッチンへ行き、二枚の、

ベーコンをフライパンの、上で焼く。

大切な人から貰ったクロワッサンを、

チンして、二枚ともに大小大きさの、違う

ブラザーベーコンを乗せ、口へ放り込んだ。


家には僕一人だけ。もう一人同居人が、

いるんだけど、彼の名前は、ヘンリーと

言って僕の、叔父である。

僕は叔父と一切話をしない。そのきっかけに

なったのは…

僕が、8つの時、庭先で黒毛の、大型犬

チャックと遊んでると、

裏口の、ドアを開けて叔父が、ショットガン持ち、撃つ体制で構えてドカーンと

チャックの、頭を吹き飛ばした。

愛犬の、鮮血を顔中に浴びた僕と、銃身を

両の手で握り、ひざまずいた叔父。

彼が僕にかけた、言葉は、

「すまない。ミック…」と簡潔なものだけ。

泣き叫ぶ僕には目も合わさなかった。


学校へは、自転車で向かう。同じバスに乗るほど、親しい友人もいないから…

教室に入ると心に異星人が寄生した、変人

アンディと目が合う。

席へ座ろうとした、僕へ奴は、朗らかな笑み

を向けた。

アンディが新学期の、最初にクラスメートに放った自己紹介を覚えてる。

やぁ!僕は、ニュータリアンズの、アンディ

心には、遠い彼方にあるかも知れない

ガイタリアン星の、星の住民タリアンズが

住んでいるよ。親しみを込めてタリアンズ君と呼んでるね。

クラスがざわめきと失笑で溢れる…

アンディは、紹介を続けた。

タリアンズ君は、ね…魂を宇宙へ向け放射

する事で、僕ら人間の、心へ入るんだ。

僕の、心に住んだタリアンズ君は、自らが、

信じる教えを、僕に教えてくれた。

なるべく分かりやすい例えで、説明するけど

最初は、理解できなくて良いから。

それはこうだ。

メラメラと輝く灼熱の、青い太陽…

いじめっ子達のクスクス笑い。

マッスルポーズを決める、太った男と女

「ブフッ」思わず誰かが吹き出してしまう。

動物の糞を固めてレンガにして建てられた

大聖堂…

「ハハッ」「言葉遊びだね!ただの。」

アンディは、皆に何も分かっちゃいない。

と少し呆れた様子で、最後に言った。

月に1度街の市民センターで、

ニュータリアンズの集いが、あるんだ。

興味がある人は、是非来てよ…

学校にいる、少数の変人クラブは、

アンディを仲間として、受け入れた。

ニュータリアンズとは、奴らが自分を少し

でも、イカしてるんだと、認めて欲しくて

つけたネームだけど、無政府主義者の

リバタリアンみたいで信用ならんかった。

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