からさ

 トゲがあるバラが美しいと言われていた。

 今は何もないものが美しいと言われてしまう。




 つらい思いをしてまで生きる必要はないともっと速く教えてくれよ。





 正しい負荷ふかなら別なのに。

 わたしを通り過ぎた人間たちのからまわった行動に巻き込まれる罪のない人々を見ていつも考える。





 後ろにまわりこんだら確実に仕留めてしまいたいほどにかつて周りを傷つけた人間たちをねらってる。





 その段階だんかいが過ぎた今はあざわらってる。





 これ以上、成長のよちがないとわかればあとは信用しないだけ。





 たいてい欲しがられるものは金や愛やエトセトラ。

 共通点は『自分でつかもうとしないで他人だより』なところ。





 そいつらは『からさ』って知ってるのだろうか?

 世知辛せちがらさではなく汗をかく苦悩くのう






 ひとりで過ごす覚悟もないくせに自分は思い上がっているとは思っていない当時の年長者ねんちょうしゃにはヒョウが獲物えもの確実かくじつにしとめる時の目でしか見たことがない。






 頭の良さやIQあいきゅーなんてなんの役にも立ちゃしない。





 様々なものにわれわれはとらわれている。

 数字に命に愛と欲。






 そして幸せ。

 自分の場合はうらみ。

 または栄光えいこう





 からいものをどこかでたのむときはいつも思い出している。






 すべては腹の探りあい。

 おりれないものとはつうじあえない。




 からさを忘れるか知らないまま生きていく人生がよろこびだと言うのなら、だれも巻きこまず孤独とうらみを忘れられるのなら応援するかもしれない。






 それでも忘れないでほしい。

 われわれは常にやいば爆弾ばくだんをかかえていることを。





 さっそく今から下りてしまおう。

 味のある料理を食べて動いて出して寝たいから。

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