第17話静かな酒盛り

脳出血後遺症、左半身麻痺の僕が実感している。


 葬儀会社のスタッフが心配そうに鯨先の行動を見守っていたが、ようやく酒処が出来て完成したらスタンダードで簡素な酒盛り処だったから拍子抜けしたスタッフが近付いて来て「安心しました。」と、耳打ち。


「ではお隣のご接待場所の臨時という事で、喪主さんが居られますので、他の参拝客の邪魔に為らない程度でお願いします。」


ペコペコと、頭を下げつつ此方を確認しながら後退りして行った。

 彼はアナーキーだった。


ちょっと待っといて、と言って葬儀会社のスタッフに何か聞いていた所、折り畳んでしまってあったと思われるブルーシートを隣の接待場所から持ってきて、素早く広げ真ん中に先程折り畳んで、通夜会場の隅に追い遣ったパイプ椅子を一個、持ってきてブルーシートの中央に・・・

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