第11話リンが2回鳴った。

ここでは何だからとヘルパーの佐々木さんが、「喪主の鹿児島(かごしま)何処(いずこ)さんにご面会ですよ。」


と、隅々にまで透明な声が行き渡り葬儀場の隣に居る僕まで聴こえる様に母親の亡骸を祭ってある通夜会場へ通してくれていた。


 鯨先は無言で母の寝ている祭壇に近付きパイプ椅子に座って焼香をしようと手を合わせていた。

 チーン、チーン・・・リンが2回鳴った。

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