5.魔が差しました。

第48話

昨日はあれから会社に戻り、会議やら書類チェックに追われて、会社を出れたのが十時過ぎだった為、翡翠様の所に行くのは諦めた。


翡翠様達お坊さんは、朝が早いので夜も就寝が早い。


前に聞いたら、朝は五時前に起き、夜は九時過ぎに就寝するらしい。


その他のお弟子さん達は、朝がもっと早いとか。


朝五時とかまだ私は爆睡中だ。

翡翠様のお嫁さんになったら、同じような生活になるんだろうなぁ、なんて想像しては妄想を膨らます。


うん、アリだ。

友人のユキに話したら、マジであり得ない。と、真顔で返されてしまったけれど。


お寺の嫁は、色々と大変だと聞く。

勿論仕事を続ける事は出来ないし、旦那様を裏方として支えなければならない。


その覚悟なら、私出来てるんだけどなぁ。

なんて思いながら、夕焼けに染まる石段を登る。


まぁ、その前に翡翠様に振り向いて貰えるかが一番問題なんだけど。


石段を登り終えて山門をくぐり境内に入ると、本堂の入り口近くに翡翠様と女性の姿が見えた。

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