第16話
しんみりと考え込んでしまっている自分に、ハッとして軽く首を振る。
今は大事な翡翠様の法話に、耳を傾けなければっ!!
ふと顔を上げると、また翡翠様と目が合った。
うわっ!また目が合った!!
もしかして、いつもの席よりここって穴場だった!?
心の中でガッツポーズを繰り返して、翡翠様を見つめる。
残り三回の告白は、大事にしよう。
だから、翡翠様の好みをどうしても知りたいのだ。
翡翠様は前に、仕事の事で悩んでいた私に、
『人に合わせられる人間ではなく、人に合わせてもらえる人間になればいいのですよ。』
と言ってくれたけれど、翡翠様の事だけは好みに合わせてでも振り向いてもらいたいと思うんだ。
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翡翠様の法話が終わり、みんなゾロゾロ講堂から出て行く中、私だけ反対方向に進む。
本当は境内の中は、一般の人は立ち入り禁止の場所もあるのだけど、私はボランティアと称してお寺の掃除や行事のお手伝いを買って出ていたら、顔パスで中をうろつく事ができるまでになった。
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