第11話
まだ話した事は無かったけれど、噂には聞いていて七瀬を知っていた私は、七瀬と私が仲良くなるなんて思ってもいなかったし、まさか七瀬と自分が、こんなに好みが一緒だとも思わなかった。
「はーい、席替え席替えー。新入社員は全員真逆に座ってー。」
若い社員が多いこの会社の歓迎会は、正に大規模な合コンのようで、少しワクワクしながら新しい席に座った。
けど。
私の目の前には、不機嫌さを醸し出した七瀬が座っていて、正直最初は元の席に戻りたいと思った。
よくよく周りの女子の話を聞くと、どうやら七瀬は合コンが大嫌いなようで、正に合コンのようなこの歓迎会の状態に不機嫌になっているようだった。
なんとなく気まずさを感じながら、目の前の七瀬を直視出来ず、七瀬の手元を見ていたら、腕につけている腕時計に目が止まった。
えっ!?嘘っ!!この人がつけてるの、私が欲しくて並んでも買えなかった、アキューパディントの腕時計じゃない!?
七瀬がつけているのは、あまりメジャーではないけれど、好きな人のみぞ知るテディベアがモチーフのブランドの腕時計だった。
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