第7話 際限なく木乃香姉さんに甘えまくる休日
「うーん、映画面白かったねー。それじゃあ、お家デートはこれでおしまい。あとは、勉強頑張ってね」
「あ、もうちょっと一緒に……」
「だーめ。もう息抜きは十分でしょう? テストが終わったら、また相手してあげるから。あ、でも来週の土日はモデルの仕事入ってるんだった」
二時間弱の映画鑑賞も終わり、用意したお菓子やジュースも全部食べてしまった所で、木乃香姉さんとのお家デートも終わりとなってしまった。
木乃香姉さんとゲームとかして遊びたかったが、これ以上は、彼女を怒らせそうなので、今日はこの辺にしておくか。
「わかったよ。でも、テスト終わったら、絶対またデートしよう」
「くす、そんなにお姉ちゃんとデートしたいんだ。嬉しいなあ。じゃあ、空いた日に遊園地でも行こうか」
と、まるで小さな子をあやすように、俺の頭を撫でながらそう言ってくれた木乃香姉さんであったが、こういう子供扱いをされると微妙な気持ちになってしまう。
やっぱり、まだまだ手のかかる弟としか見ていないんだろうな……ずっと、それでは嫌なんだけど。
「そのさ、木乃香姉さん。遊園地も良いんだけど、行きたい所が他にあるんだ」
「ん? 何処?」
「プール」
「え? 別にいいけど、どうして急に?」
「木乃香姉さんの水着、久しぶりに見たいなって思って」
「なっ! よ、よく言えるね、そういう事」
下心全開の言葉を俺が口にしたので、木乃香姉さんもビックリして顔を真っ赤にしていたが、ちょっと怒らせちゃったかも。
「ごめん、冗談だって」
「冗談に聞こえなかった。んもう、ふざけてないで、さっさと机に向かう。今日は、私が夕飯の準備も片付けもするから、ハル君は頑張りなさい」
「はーい」
流石、冗談ではなかったこともお見通しだったみたいだが、夏になったら、改めてプールか海にでも誘ってみようっと。
そう胸を躍らせながら、机に向かい、中間試験の勉強を再開していったのであった。
「ふうう……さっぱりした」
お風呂から出て部屋に戻り、扇風機でちょっと体を涼める。
だいぶ暑くなってきたから、そろそろクーラーのフィルターとかも掃除しとかないとな。
トントン。
「ん? 何?」
「ちょっといい、ハル君?」
「何か用事……って……」
木乃香姉さんがノックして俺の部屋に入ってきたので、何事かと見てみると、思いも寄らぬ光景が目に飛び込んできたので、一瞬言葉を失った。
「ど、どうかな、これ……?」
「どうって言われても……」
もじもじと恥ずかしそうにしながら、木乃香姉さんは俺にいつ購入したのかもわからない、ビキニ姿を披露していた。
黒の大人っぽい感じのビキニで、木乃香姉さんのスタイルの良さがハッキリとわかる姿であり、その刺激的ともいえるアダルトな水着姿にしばらく釘付けになってしまった。
「こ、これ、この前撮影に使った水着で、良いなって思ったから、ちょっと買ってみたの。今度、プール行くときに着ようかなと思って……」
「そ、そうなんだ。てか、水着の撮影って事はグラビアとか?」
「違うわよ! 普通のレディース向けのファッションカタログのモデル! グラビアとかは興味ないし」
木乃香姉さんなら、十分グラビアでも通用するスタイルだとは思ったが、それでも改めて間近で見ると、その辺のモデルよりもスタイル良くて、綺麗だなあ。
「その水着、プールに着てくんだ」
「は、ハル君が良かったらだけど」
「はは、楽しみにしているよ」
「そ、そう……じゃあ、もう行くね」
「いや、ちょっと待って」
「え?」
いい加減、恥ずかしくなったのか、木乃香姉さんは俺の部屋から出ようとしたが、水着姿をもうちょっと堪能したかったので、
「何枚か写真を撮って良い?」
「ふえっ? ちょっ、ちょっとそれは……」
「誰にも見せないから。な? どうしても、木乃香姉さんの水着姿を写真に収めたいんだ」
いずれプールに行けば、見せてくれるんだろうが、それまで木乃香姉さんのこの水着姿を記録しないのはあまりにももったいない。
下心丸出しのお願いを頭下げてしてみたが、そんな弟の姿を見て、木乃香姉さんは溜息をついて、
「ちょっと待ってて」
水着姿のまま、俺の部屋を出て、どっかに行ってしまう。
ちぇっ、やっぱり駄目か……いくら弟とはいえ、水着姿の写真を撮られるのは恥ずかしいって事か。
「お待たせ。ほら、ここに載っているから」
「これは……」
「この水着の撮影に使ったカタログ。ここに、私の水着の写真も掲載されているんだから、これで我慢しなさい」
と言って、カタログに掲載されている木乃香姉さんがこの水着を着ている写真を指差す。
確かに木乃香姉さんが笑顔で、この水着を着ている写真が掲載されてはいるが、ちょっと写真が小さく何だか味気ない気がしてきた。
「これで我慢しなさい」
「はいはい。でも、一枚だけ撮らせて。お願い」
「え、ええ? もうしょうがないわねえ……誰にも見せないでよ」
このカタログはありがたくもらっておくが、やっぱり、自分のスマホのフォルダーにも保存したかったので、木乃香姉さんの写真をスマホで撮影していく。
もちろん、誰にも見せたりするものか。
俺だけが見て良い水着姿だ。
と言っても、ファッションカタログにこの水着を着ている写真が掲載されているので、誰でも見れちゃうんだけど、それでも今撮影した写真は俺だけが見て良い写真なのだ。
「もう、良い?」
「うん、ありがとう」
「じゃあ、着替えるね」
「ちょっ、ちょっと待って」
「まだ何かあるの?」
もう一つ、木乃香姉さんに頼みたいことがあったので、彼女の手を掴んで引き留める。
「その……膝枕して」
「はい?」
木乃香姉さんの綺麗な白い足を見ると、無性にそんな気分になってしまい、ダメもとで頼んでみる。
調子に乗り過ぎたかな……でも、どうしてもあの太腿を枕にしたい。
「エッチ」
「う……本当にちょっとでいいから」
「ああ、もうこんな甘えん坊な弟になるなんて……」
何て呆れた顔をしながらも、ベッドに座り、
「ほら」
「いいの?」
「水着を見せたのは私の方だしね。そのかわり、本当にちょっとだけ」
「やったー」
「きゃっ! いきなり、飛び込むな」
俺に生で太腿を差し出してきたので、遠慮なく膝枕を堪能させてもらう。
おお、柔らかいなあ……木乃香姉さんの膝枕、マジで良いわ。
「はー、極楽浄土♪」
「こういうのは彼女にしてもらいなさいよ」
「ずっと出来ないかもしれないから、木乃香姉さんにやってもらうの」
「ずっとって……まだ十代なんだから、そんな事言わないの」
十代だろうが関係はない。
俺は木乃香姉さん以外の女を彼女になんかしたくないからだ。
というか、弟にここまでしてくれる姉って、木乃香姉さん以外に居るのかな?
多分、絶対にいないと思うんだが、やっぱり木乃香姉さんは俺の事を……。
「はい、終わり。早く、勉強再開しなさい」
「うう……耳掃除もしてくれない」
「調子に乗り過ぎ」
流石に駄目か……と思ったが……。
「はあ、気持ちいい……」
「うう……ちょっと、甘やかせすぎかも……」
何だかんだで、耳かきを持ってきて、膝枕をしながら俺の耳掃除をしてくれた。
正に至れり尽くせりで、甘えすぎだとは思っているが、ここまでしてくれるんなら、遠慮なんてしない。
(もう、絶対木乃香姉さんと付き合ってやる)
彼女の太腿を直に感じながら、そう誓い、木乃香姉さんの耳かきと膝枕を堪能していったのであった。
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