第2話

たった二人きりの家族だった。


他に身内なんていなかった。



でも母さんは優しくて、とても強い人で。


そんな母さんが大好きだった俺は、二人きりの家族でも別に寂しくなんかなかった。



それに、母さんの昔の友達や近所の人がよく俺の事を構ってくれて。

その人達の事も大好きだった俺は、寂しくなんかなかったんだ。


幸せ、だったんだ。



そんな日常がずっと、続いていくんだって思ってた…。








母さんの葬式は


小さく、静かに。



母さんの大好きだった人達に囲まれて。

母さんを大好きだった人達に見守られて。


しめやかに、執り行われた。



たくさんの涙が流れる中。


小さな箱の中で眠る母さんの顔は、とても穏やかで。



そしてとても、


幸せそうに見えた。

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