Diary 5

第57話

【あれ?聞こえてる…?おーい、柚希ちゃ、】





ブチっ─…っと、風間がそれ以上何か言葉を発する前に強制的に通話を終了させた。一番知られてはいけない人間に、凛くんの宝石のような尊い容姿を知られてしまったのだ。とても冷静では居られなかった。






───どうして、バレたのだろう?





通話の内容からして、凛くんは近くで寝ている…ような言い方をしていた。もしかしたら、勉強会だと嘘をついた風間が家で飲み会でも企画していたのでは無いだろうか?





勉強の合間の息抜しようぜっ!みたいな…そんな感じで学校の友達や女の子を家に呼んで、純粋に勉強会だと思って訪れた凛くんのことを騙して、酔いつぶれるまで飲ませたのでは…?






『………凛くんっ、』





理由はどうあれ、凛くんが今…こんな遅い時間に女の子と同じ空間でお泊まり会をしているなんて…とても許せる話ではない。





騙されたんだとしても、女の子が居ると分かった時点で帰れば済む話だ。いや…まだそうだって決まったわけじゃないし、風間と二人きりで勉強をすると思い込んで…凛くんに何も聞かなかった私も悪い。





凛くん一人を責めるのは間違っている、そう思うのに…ドロドロとした黒い感情に支配され、心臓がズキズキと傷み始める。

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