第20話

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あれから一年と少し経って、お互いの家を行き来する仲になり…順調に交際を深めている私と凛くん






私にはよく分からないが、凛くんは大学を卒業するのに6年かかる…っと以前言っていたのを覚えている。その後国家試験を受けて、合格しても修行のような研修期間がしばらくは続く─…





っと、付き合ってすぐの頃に「この先10年くらい、僕は医者の見習いです」みたいな話しを長々と語ってくれたのをなんとなく覚えている






凛くんが大学へ向かったあと、私は一人彼の家のソファーでゴロンと横になり…自身のスマホで毎朝のルーティンとなっているSNS探偵を開始する。





『……おのれ、風間かざま 洋二ようじめっ。また勝手に凛くんをSNSに晒しやがったなっ?!』






──…風間 洋二 と言うのは、凛くんの友達のチャラ男。あのカラオケコンパで一緒だった金髪の派手な男。





奴はすぐに凛くんとの写真をSNSに横流しする悪質なネットユーザー。それを毎回私は"不適切な投稿"っというボタンをクリックして、その投稿が消されるように仕向ける





凛くんの尊いお顔を勝手にネットに晒すなんて許せない。もちろん風間がアップしている凛くんは…私が造り上げた"非モテビジュアル"の凛くん





それでも─…いつか誰かに本当の姿を知られてしまったら…なんて思うと怖くて、、






私はこんな風に凛くんの知らないところで、いつも凛くんのことを監視している。




知らなくていい、私だけが知っていればいい。






そんな私の独占欲は留まることを知らず、

純粋でウブな彼のことを今日も─…束縛する。

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