萌え要素、炸裂!

崔 梨遙(再)

第1話  はじまった!

 高校2年生、修也の目覚めはいつも息苦しい。血の繋がらない姉の胸に頬を埋めて目覚めるからだ。姉の澪(みお)は二十歳の大学生、身長166センチ。スタイル抜群で早くも充分な色気を身に付けている。少しだけ茶色い髪は肩の上まで。一言で言うと美人。幼い頃からモテ続け、今は読者モデルもやっているスーパーレディだ。だが、澪は修也しか見ていない。修也のことが大好きな姉だった。


「姉さん、もう目は覚めたで!」

「うーん、ダメ~♪ 後5分」

「それ、目を覚ます側の言葉やろ?」

「わかったわよ」

「下に行こうや、朝飯やろ」

「うん、降りよう」


「お兄ちゃん、おはよ!」


 1階に降りると、血の繋がらない妹の操(みさお)が抱きついてくる。これも毎朝のことだ。操は中学2年生、澪の実の妹で、姉妹なのに何故か澪とは違うタイプだが、小学生の頃からモテ続けているという点では澪と似ている。髪は肩よりも少し下で切りそろえている。身長は、155~156センチで華奢、まだ女性として完成していない外見だが、“妹にしたい!”と思わせる容姿で、操も修也のことがずっと大好きだった。なので、澪と操はよく修也を取り合って喧嘩をする。


「あらあら、朝から仲がいいわね」


 血の繋がらない母親、翔子が微笑む。美人姉妹の母だけあって、かなりの美人、身長は163センチらしいが、もう少し背が高く見える。スタイルがいいからだろう。ちなみに元モデルだった。長い髪を後ろで束ねている。翔子の笑顔に見守られ、ようやく修也は朝食を食べることが出来る。 


 修也が外へ出ると、門の前で1人の女の子が待っている。これもいつものことだ。


「おはよ」

「悪い、待たせた」

「ううん、待ってへんよ」

「ほな、行こか」

「うん」


 待っていたのは幼馴染みの同級生、沙織。修也とは幼稚園の時から小学校、中学、高校とずっと同じクラスだった。身長158センチで華奢。沙織もモテる、今までに何人の男が沙織に告ったのか? 数え切れない。それを何故? かたっぱしから断るのか、その理由は修也も知らない。噂では、毎回“好きな人がいるから”と言って断っているらしい。しかし、修也はバレンタインで毎年沙織からチョコをもらっている。修也は、“もしかして、沙織の好きな人って僕?”と思うのだが、勘違いだと恥ずかしいので何も言わずにホワイトデーでお返しをしている。


「おはよ」

「おはよー!」


 修也と沙織が教室に入ると、


「おい、修也、こっちに来い!」


茶色いパーマ頭の女子生徒が修也の手を掴んで引きずっていく。行き先は屋上だ。


「なんやねん、紅子(べにこ)?」

「お前こそ、なんで毎日同じことを繰り返すねん?」


 紅子は修也の同級生、地元で怖れられているレディース、羽亜美庵の総長だ。常に目つきが悪いが、168センチの長身、美人でスタイルはいい。ただ、問題なのは大不良ということだけだ。


「同じことって?」

「私と付き合えって、ずっと言うてるやろが、いつになったら私と付き合うねん?」

「言うてるやろ、今は誰とも付き合う気がせえへんねん」

「そんな言葉で納得できるわけないやろ、今度、私とデートしろ」

「ええけど、当分、休みの日は予定で埋まってるで」

「それなら、帰り道、一緒に食事しようや」

「うん、ええけど」

「ほな、早速、今日の放課後とか?」

「今日は生徒会があるから無理や」

「ほな、明日」

「うん、ええよ」


 そこで解放され、修也はいつも少し授業に遅れる。これも日課のようなものだ。



 放課後、生徒会に顔を出す。修也は副会長、会長は麗子。麗子は3年生、大富豪の娘、容姿端麗、成績優秀、黒い長い髪がよく似合う。身長は160センチ。


「修也君は残ってや、打ち合わせがあるから」


「なんで残されたんですか?」

「ちょっとお話がしたいなぁと思って」

「麗子先輩、3年生やから、大学に行ったらもう会えなくなりますね」

「修也君も私が行く大学に来てほしいんやけど」

「えー! 東〇大学でしょ? 僕には無理ですよ」

「大丈夫、私は待ってるから」



 帰ろうとすると、修也は声をかけられた。


「先輩!」

「あ、凪子ちゃん。部活は終わったの?」

「はい、今から帰るんです。駅まで一緒に歩いていいですか?」

「ええよ」


 凪子は1年生、とにかくかわいい。ショートカット、身長は160弱、158センチくらいか? 校内のアイドルの1人だ。この学校には、スポーツ特待生として入学していた。種目はテニスだ。全国大会出場は間違いないと言われている。修也は、凪子が不良に絡まれているところを助けたことがある。それから、凪子はよく修也に話しかけるようになった。



「修也君、待ちなさい」


 修也はまた呼び止められた。振り返ると、担任の静香先生がいた。静香先生は身長174センチの長身、24歳、長い黒髪、スタイル抜群の人気の先生だった。顔も美しい。いつも白衣を羽織っている。凜とした雰囲気がカッコイイ。


「なんでしょうか?」

「進路のことで話があるから、ちょっと来たまえ」

「はあ……凪子ちゃんごめん、今日は一緒に帰られへんわ」

「はい、ではまた」

「うん、ほなまた」



「先生、進路の話って?」

「まあまあ、たまには付き合いたまえ」

「静香ちゃん、お待たせ」


 保健室のアイドル、理子先生も来た。理子は小柄、身長154センチ。キレイというよりもカワイイ感じ。27歳、理子も生徒からの人気はある。


「修也君、夕食時だ、私達と食事しながら話そう」

「はあ……」



 帰宅すると、また澪と操が抱きついてくるのだった。



 っていうか、修也の学校、偏差値なんぼや!?







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