第6話 「入学検査での一コマ 2」


午後からは、体力テストならぬ。能力テストだそうだ。ランニング10キロと筋トレ腹筋背筋スクワット各100回5セットが毎日の日課にしていた私にとって体力テストなら自信があったんだけど、なぜ?魔法と剣術の試験なの?あっそれと魔法と剣術の間に学力テストをするんだってなんだかなぁ


文系女子は関係ないはずなんだけど、みんな受けことになっている。実は、能力テストの結果でクラス分けをするらしい。


最初は、魔法の試験からなんだって、魔力の大きい順から攻撃する魔法を的に当てるという内容なんだって、1番目は王太子殿下、流石はファイヤーアローで的を粉砕した。

次はユリアンちゃんなんだけと、ホーリーアローでまた的を粉砕。


「おお!!」


とどよめきが上がった。その次がプーチンチン、ウォーターカッターで的を真っ二つにした。


そんな中、ウィンドカッターで的を真っ二つにしたエリザベート・ウィザード公爵令嬢とファイヤーアローで的を粉砕したイザベル・サタンフォード侯爵令嬢いた。彼女らは、完全に王太子目当ては明白だ。そして、私が呼ばれた。


人差し指を的に向け


「レイ"ピー"」


的の真ん中に穴が空いたんだけど、誰も気付いていいない。


「どうしたんだ?アシュラ令嬢、早くしなさい」


「もう終わりました」


「何を言っているんだ、何も見えなかったぞ」


「的に穴が開いているはずですが」


「なに!!」


教官は不思議そうに的に近づいて確認すると穴が開いているのに気付いた。


「あ…え?穴?…本当だ穴が開いている。誰だ!!穴が開いている的を持ってきたやつは、おーい}


「教官!!それは、私が開けたんですけど」


「そんなはずがあるか!!誰も穴が開いたのを見た者はいないぞ。今直ぐ新しい的を持ってこい!!」


教官は的を持ってきた助手と一緒に的をチェックして、的を取り付けたんだけど、もう一度しようとすると


「アシュラ令嬢!!君はもういいから」


「え?」


「時間がないから、ライトをやってくれ」


「何故ですか?もう一度やらせてください」


今度はレイピーで的を切ってやると懇願したんだけど、教官は、首を横に振った。


「光属性しかない君は、攻撃魔法はできなかったのを忘れていた」


「攻撃できますよ」


「そんな事はどうでもいから、すまなかった。マニュアルを見落としていた。マニュアルでは、光属性はライトができるかどうかが判断基準だから、だから、ライトをやってくれ、やってくれたら合格になるから、ほら、早くライトをやってみなさい」


「そんな〜」


「いいから早くしなさい。しないと不合格にするぞ」


周りからせせら笑う声がしてきたんだけど、しかたない。


「ライト」


「うん、十分に光っているな。合格だ」


馬鹿にしたような笑い声が聞こえる中、私は、ユリアンの元に


「ゆりあーーん」


「もう…セイラ様ったら…でも、あの攻撃はすごいですね。私にも見えませんでしたから」


そう…あの攻撃は指先から的に穴をあけるほどの威力で光を放ったのだった。だけど、そのスピードは光速、目に見えるはずがない。


「ユリアンだけよ。そう言ってくれるのは」


そこへ王太子殿下と多分学友会の方がやって来たんだけど、私達の状態をじっと見ている。

と言うより、多分、女の子同士が抱きついている姿を見て固まっているんだと思う。


「な…なんですか?」


「あ…いや…」


学友の方の一人が


「殿下の前だ。その態度は失礼だ」


仕方ない。ユリアンから離れた私達は姿勢を正した。


「初めまして、セイラ・アシュラです」


「初めまして、ユリアン マグナガルルモンです」


その後、殿下とその愉快な仲間達じゃなかった学友と挨拶を交わした。すると殿下はこちらをチラチラと見たかと思うと視線をそらして鼻をポリポリと掻いている。


そんな姿がなんとなく懐かしい感じがするけど、それより何をしに来たんだろう。再度殿下に話しかけてみた。


「殿下…如何なさいましたか?」


「うーむ…まっ…がんばれよ」


よくわからないけど、まぁいいか。殿下が私の目の前から去っていったんだけど、このことで、まさか、一悶着なんてないよね。


魔法の後は、学力テストだった。そして、午後から剣術の試験らしい








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