自由

第77話

────

───




ガタンっと音がして、船内が揺れた。


床に倒れ込むようにして眠っていたわたしは、その振動で目を覚ました。


あれ?


何だか、違和感───。


いつもと何かが違う。







そうだ、船が止まったんだ───。






慌てて体を起こし、誰が入ってくるのかと戸口を見ながら身構えた。


目的地に着いたのなら、わたしは売春宿に売られる──。


ついにその時が来たのかと、体が震えた。

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