第57話
───
──
そしてそれは、ある日突然やって来た。
お弁当を半分ほど食べ終え床に転がりうとうととしていると、突然部屋の入り口が開いた。
トイレ係のおばさんが来たのだとしたらすぐに中国語で何か喚くはずだから、彼女じゃない。
それなら他の男がお弁当の殻でも取りに来たのだろうと、わたしは転がったまま顔を上げようともしなかった。
お弁当の殻は格子戸の外側から取れるように近くにおいてあるし、わざわざ起き上がる必要もない。
だけどその足音は、格子戸を開け中まで入って来た──。
食事の出し入れは格子戸の隙間から行っているから、彼らが檻の中に入ってくることはない。
だから不思議に思い、体を起こそうとした。
その瞬間に、重い何かに押さえ付けられた。
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