ライブ
第78話
それからは、バイト中も帰ってご飯を食べる時も寝る前も、中田くんのことばかり考えて過ごした。
彼とライブに行くなんて、いつまでも信じられない。
本当に来てくれるのか不安もあったし、来てくれたとしても何話そうって今更のように心配になる。
───自分から誘っておいて、失礼な話しだけど。
そもそも、中田くんと音楽のイメージが全く重ならない。
ライブなんて、行ったことあるんだろうか?
だってわたしの知ってる中田くんは───無口で、一人で、いつも教科書にかじりついてる。
ただ、それだけ。
布団の中でいつも教室の隅にいる彼の姿を思い浮かべるうちに、いつの間にかわたしはウトウトとしていた。
寝る間際、今日もお酒の匂いがした母のことが、一瞬頭を過った。
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