第62話

一人で浮いているわたしは、チョココロネと卵サンドを買った。


パンの入った袋を抱え、売店の外にある自動販売機で飲み物を選ぶ。


レモンティーのボタンを押し、ガタンッと紙パックの落ちる音を聞いた後で、辺りがいつも以上に騒がしいことに気付いた。


キャーッと、黄色い歓声が上がる。


写メを撮っている子までいる。


紙パックを手に取ってから振り返り───ドキリとすると同時に、その騒ぎの原因を理解した。







売店の外、ちょうど渡り廊下の端の辺りに、壁にもたれ立ったまま話し込んでいる男子生徒達がいた。


他の生徒達とは、明らかにオーラが違う。


高校生とは思えない、動じない、場馴れしたオーラ。







コウ先輩とあと2人、3年の男の先輩達。


────確か、同じバンドのメンバーの人達だ。

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