第62話
一人で浮いているわたしは、チョココロネと卵サンドを買った。
パンの入った袋を抱え、売店の外にある自動販売機で飲み物を選ぶ。
レモンティーのボタンを押し、ガタンッと紙パックの落ちる音を聞いた後で、辺りがいつも以上に騒がしいことに気付いた。
キャーッと、黄色い歓声が上がる。
写メを撮っている子までいる。
紙パックを手に取ってから振り返り───ドキリとすると同時に、その騒ぎの原因を理解した。
売店の外、ちょうど渡り廊下の端の辺りに、壁にもたれ立ったまま話し込んでいる男子生徒達がいた。
他の生徒達とは、明らかにオーラが違う。
高校生とは思えない、動じない、場馴れしたオーラ。
コウ先輩とあと2人、3年の男の先輩達。
────確か、同じバンドのメンバーの人達だ。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます