ギターと星空

第43話

わたしの父は、元々若い頃はミュージシャンを目指していたらしい。


だけど夢半ばに挫折し、普通のサラリーマンになったって聞いた。


ミュージシャンを目指す人なんて、この世に星の数程いる。


その中で世の中に自分の歌を聴いてもらえる人なんて、ほんの一握り。


そしてそこから売れて有名になる人は、更にその中のごく僅か。


類い稀な才能を持ち、強運も持ち合わせている人だけだ。


多くの人間が現実を知り、夢を追うことをやめる。





わたしの父も、その中の一人だった。






幼い頃から家に投げ置かれていた何本もの古いギターが、それを物語っていた。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る