第41話

「ほんと、大したことじゃないんだ。」


ユイの方を見て、ごめんね、とまた小さく謝る。


ユイは唇を付き出したまま、拗ねたようにユリナを見た。


ユリナは首を傾げると、もう興味がない、とでも言うように携帯をいじり始めた。


何とも言えない重い空気が、わたし達の間に流れる。






俯きながら、わたしはまた心の中でさっきのコウ先輩の言葉を思い出していた。


優しい声で紡がれた、わたしにとっては残酷なあの言葉。








『歌うの、どうしてやめたの?』

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