第12話 第3試合幕間

ソファに寝転がって第2試合を観戦していたけれど、第1試合のダメージがまだ響いているのか、私はぐったりとしていた。

まだ回復魔法を発動できそうにもない。

このまま試合が早く進めば進むほど私の戦う時間も迫ってくるだろうし。トーナメントの厄介なところって勝ち進むほど試合のダメージが影響するところよね。

だから、圧倒的な実力で勝ち進んでなるべくケガをしないようにするのがコツなの。

っておじいちゃんからのうけおいだけど。

でも、もし私が決勝に進んでアンさんも決勝に来たらいつもの対決の延長線上みたいな形になるんだよね?

それならそれで楽しいだろうし、身内同士ならどちらが勝ってもおじいちゃんは喜ぶだろうし。

今のところはっきりしているのはジャイアント・アイさんは私の家に挑戦して来ないってことと私の次の対戦相手がジョナサンさんって人に決まったことだけ。

試合を見た感じだとクラシックなプロレススタイルが持ち味で、体格差的にはジャイアント・アイほどはない。

だけど掴まったら確実にバラバラにされるかもしれない。体術しか使わない相手は身体能力が怪物みたいにすごいから、素の力じゃ絶対に勝てない。

だから私は劣っている体力や体格差を魔力で補うしかないのだけれど。


「ああ、おじいちゃん助けて!せめて体力を回復させるお手伝いくらいはしてほしい!」


絶叫するけど、当たり前だけど控室には誰もいない。

誰も入ってこられないように鍵をかけてあるから当然だけど。

なんでかというとこういう大会は少しでもライバルを減らすため、控室で奇襲する奴がいるって聞いたことがあるから。

それを防ぐために鍵をかけたけれど、ひとりはやっぱり寂しいよぉ。


「おじいちゃんはどこで何をやっているんだろう。せめて部屋の外からでもいいから声くらいはかけてほしいな……」

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