基礎魔法しか使えない大賢者

狸穴亭銀六

第1話[元先生と元生徒たち]

 魔法帝国マグナ・カルタの王都マグナスの南西にある学院通りと魔法使いが集まる魔法通りに挟まれる住宅街の裏通りにひっそりと居を構える修理屋がある


 店名は[リビルドワークス]、前は子供達に基礎魔法を教える私塾であったのだが大半の子供は地味な基礎魔法を嫌がり見栄えの良い派手な魔法に興味を示し1人1人と去っていき私塾を辞め、修理屋として再スタートをした


 だが、店主であるルーク=ローディスにモノを修理する技術は持ち合わせていない。彼は好き好んでついてきてくれた職人気質の妖精達、木製品担当のブラウニーと革製品担当のレプラコーン、そして金属専門の片脚のドワーフが修理を担当し、掃除好きなキキーモラが綺麗に仕上げ、最後にルークが魔力を込めコミュ力が高いシルキーが管理する


 最初は同じ魔法使いが使うアイテムや装備品、近所の雑貨の修理をして糊口を凌いでその日暮らしをしていたが口コミが拡がりどうにか店は微妙に黒字にはなっている


 そしてそんな夏のある日、リビルドワークスに1人の女性客が来店す入って来


「いらっしゃいませ、暑かったでしょう?お水をどうぞ」


 受付を担当するシルキーが女性客をテーブル席に座らせて冷やしたグラスに水を注ぐ


「ありがとう、この暑さに冷えた水はありがたいもてなしです」


 シルキーは白いパーカーを着た女性を注意深く観察する、あるじであるルークに危害が及ばない様にする為だ


 女性の出で立ちは日焼けしたくないのか長袖の白いパーカーと白地に赤やピンクの花をあしらった膝下までの長い巻きスカートをはいているのだが、使い込んだ革のグローブとブーツが一般人とは違う印象を受け、シルキーは顔や態度には出さないがルークを狙う不届き者では無いかと警戒を強める


 すると女性はパーカーを脱ぎ椅子の背もたれにかける、美しい金髪をポニーテールに結い上げ肌は多少日焼けしているが白く整った顔立ちをしている


「このパーカー凄く良いですね、涼しい風を送ってくれて今年は凄く過ごしやすいです。流石はのお作りになった逸品です」


貴女あなたルーク店長の知り合い?」


 女性はニッコリと笑い


「はい、ここで6年間お世話になりました」


 シルキーはキキーモラと共に修理屋を初めてから来たもので学校時代の事は知らない、そして彼女が嘘を吐いている様には見えない。すると


「今、戻りましたよぉー。いやぁ暑い暑い···」


 女性客はルークを見るやいなや立ち上がり


「先生、お久しぶりです!」


「ええと···間違えたら申し訳ない。リーゼロッテ······さん?」


「はい!リーゼロッテリズです!」


「これは懐かしい、お元気でしたか?」


「部下にこのパーカーを頂いて、先生の作品と知って挨拶に来た次第でございます」


「そうかぁ、今は何をしてるんだい?名家のお嬢様だったんだし、良い縁に恵まれたんだろうね」


「え?私未婚ですけど。それに今日はでは無くとしてうかがいましたから」


 ルークは気まずそうに視線を逸らす


「あー···すまん、汗と泥だらけなんで少々身なりを整えさせてくれないか?」


「はい、構いませんよ」


 そそくさと逃げる様に裏手の水場に行くルークを見送りながらシルキーは飲み干したリズのグラスに水を注ぎ話しかける


「まさか騎士団長様あなたが店長の生徒さんだったとは」


「私にとって大事な先生ですもの」


 年頃の笑顔を見せるリズにシルキーは安心して


「店長ってどんな方ですの?」


「そうねぇ···腕っ節は弱いし、基本的な魔法しか使えないし、おどおどしてお人好し」


「今と全く変わりませんね」


「でも小さい子供だとバカにせずにちゃんと話を聞いてくれて、そんな先生に教えられて子供心に凄く嬉しかった。それに意外だと思うけど先生って勇敢で強いのよ」


「?さっき[腕っ節は弱い]って···」


「先生は私が幼い頃にかどわかされた時にボロボロになりながらも助け出してくれたんです」


 腕っ節も魔法もダメなのにそういう所は一丁前ねぇ、とシルキーが思って店の奥に視線をやると


「お待たせしました。シルキー、看板を下げといて」


「上げててもそんなに客来ないでしょ?それに騎士団長としてお越しになられたのであれば人払いも必要でしょう」


 シルキーの表情かおが一瞬だけ普段いつもの優しいお姉さんから背筋に冷や汗を感じる程のサディスティックに変わっていた


「ふふっ」


「何がおかしいんだい?」


「先生はやっぱり素晴らしい御方ですわ、必ず誰かが先生の足りないピースを埋めてくれる」


「そうかなぁ?だらしないから放っておけないって意味かもよ?」


「まずはこのパーカーありがとうございます、とても涼しくて外の任務が捗ってます」


「ふむ、それなら後で魔術師ギルドへ提案させてもらう事にしよう」


「そしてコレがなのですが」


 リズはカバンから1通の封書を取り出す、封に使われている赤い蜜蝋には王家の紋章である八芒星の中央に十字に配された五つの丸があしらわれていた


「王家の···勅命」


「お目通しをお願い致します」


 ルークはペーパーナイフで封を開け文書を確認すると困惑した表情で


「コレはボクにとって死刑宣告だ」


 ルークの言葉にリズが血相を変えて慌てる


「な···何と書かれていたのですか?」


「断れ無いし、結果を出せなくてもが飽きても許されないそうだ」


 リズに手紙を見せる、そこには


【ルーク=ローディス卿、貴公を皇太子殿下の御子息の教育係に任ずる。尚、結果を重視するものとする】


 しかも右下にくっきりと王家の紋章が押印おういんされている。ルークも帝国民である以上従わざるを得ないが···


「タイミング良すぎないか?」


「そうですか?王子ももう4歳になられますので教育係はついてもおかしく無いですよ」


「だとしてもボクは教え子が居なくなって廃業したんだよ。そんな人間がいきなり王子の家庭教師だなんて周囲の非難の的になりかねないし、推挙した人の信頼を貶めかねない」


(どうして私の先生はこう自己肯定感が低いのかしら?)


 リズにはルークの他にの師匠が居る。リズと同郷、南都フェニクスの通称[マグナスの剣聖]と呼ばれているレオン=クリストフという剣術指南役だ。彼も指南役を受ける前に相当揉めたとか


「リズ」


 彼女を呼ぶルークの顔は先程の頼りない中年男性では無くしっかりと先生と呼ぶに相応しい顔付きになっている


「キミも読んだけど、方針はボクに一任するって事で良いのかな?」


「そうですね、常識の範疇はんちゅうであれば」


 ルークはテーブルの面に3回コンコンコンとノックして1人の妖精を召喚び出した


「キキーモラ」


「なんだい?閉店時間はまだ先だよ」


が出来ましたのでシルキーと一緒に留守番をお願い致します。それとリズ」


「はいっ」


「申し訳ありませんが用意をして直ぐに登城しあがります、各種手続きをお願いします」


「畏まりました、では後程」


 王都マグナス、エルンヴェイカー城に帰還し戻っオルレオン騎士団長リーゼロッテルーク先生の登城を団員に告げ到着次第リズ本人に案内させる様正門脇の待合室に通す様に指示し、王家護衛の近衛師団長にルーク訪問の報告を上げた


「しかしオルレオン団長、それ程の使い手なら我々が知らぬ訳は無いのだが」


黙殺されたんですよ、派手な魔法で荒稼ぎしたがる人達に」


「まさか?」


「誰だって見栄を張りたい時期はありますよ、そして失敗して理由が分からないまま魔術師を諦める人が居るのも現実です」


 確かにリズの指摘の様に昨今若年層の魔術レベルの低下は魔法帝国において社会問題だ


「それだから今、先生の様な人が必要なんです」


「だとしても基礎魔法しか使えないのだろう?」


「近衛師団長は水流操作ウォーターコントロール魔法銀ミスリルを斬れますか?」


「いやいや、基礎魔法でしょ?せいぜい刃の血糊を洗うぐらいしか···」


 その時


━━ぐらり━━


「少し大きかったですね」


「私は陛下達を見てくる、君達は城を見てくれ」


「畏まりました」


 リズと近衛師団長は地震の被害を確認する為に持ち場に戻る、その道すがら一匹の鮮やかな青い毛並みで尻尾が二股の猫がリズの前に現れた


「リズ、大丈夫だったか?」


「大賢者モンド様、今はブラッシングを所望している場合では」


「もぉ、しょうがないなぁ···じゃねーよ!さっきの地震!」


「まさかモンド様の実験?」


「でもねぇよ!全騎士団に捜索出すんだろ?どうせ陛下から災害派遣用の転移魔法ゲート巻物スクロール持ち出しを言われるだろうから先に発生場所聞いてふたつみっつ持ってけ」


「ありがとうございます。私も直ぐに出立するように···」


呼んでンだろ?捜索は部下にやらせてお前はお前の仕事しろ」


「あー、それなら大丈夫です。先生なら分かってくれます」


「普通呼び出してドタキャンしたら怒られる所じゃねぇぞ」


 数分後、エルンヴェイカー城裏の関係者通用門に怪我をし応急処置済の炭鉱夫を連れた魔法使いが


「すみませーん」


 すると、奥から騎士従者の少年が出てきて


「なんなんだよオッサン、今すっごく忙しいの見て分かんない?どこの田舎者か知らないけど、ここは天下のエルンヴェイカー城。病院じゃないんだ」


 そう言うとルークに対して野良犬を追い出す様に手をヒラヒラさせる


「コレを」


 少年はルークの出した王家紋の入った封筒を見て驚き、即座に偽物と決めつけ


「お···俺は騙されないぞ!王家の紋章を複製した大罪人め、ひっ捕らえてやる!」


 ルークは抵抗する気は無い、むしろ少年は真面目に仕事をしているんだと考え


「分かりました、抵抗しません。ですが彼を横にさせたいので長椅子を一脚お借り出来ますか?」


「大罪人の戯言ざれごとなんざ知るか!」


 そこに一人の女性騎士が


「どうかしましたか?」


「あ、騎士ハミル様。実はコイツ王家の紋章を複製した大罪人なんです」


「ええ?この忙しいの···に···?」


 ハミルと呼ばれた女性騎士はルークの顔を見ると急に顔面蒼白になっ顔を青ざめて少年の頭をグーパンで殴る


「この大馬鹿者ー!この方がリズ団長がお呼びになった先生なんだぞ!」


 女性騎士が二発目を殴ろうとする手をルークは止める


「まあまあ。アリスちゃん、正門の門兵も彼もボクの事を知らなかったンだし真面目に職務をしてたんだから許してあげなさい」


「はい。でもどうして怪我人を?」


「話が緊急だけど長くなるから騎士団長リズを待合室に呼べないかな」


「分かりました!おい、先生にちょっと良いお茶出しとくんだぞ!これ以上失礼なマネするなよ」


 従者の少年は先程と態度がガラリと変わってルークの要望通り動いてくれた


「ありがとう、助かりました」


「あの···怒らないンすか?」


「何で?さっきの態度は改めた方が良いけどキミは門兵の仕事をしっかりこなしていたじゃないか。何か言われたらおじさんが庇ってあげるよ」


 ルークが少年の頭に手をかざすと少年の頭の痛みがスっと緩和された


「あれ?痛くない」


 するとぶつかり合う金属鎧の音を鳴らしながら


「お、お待たせしました···先生···」


「想定より速かったね、まあお茶飲んで落ち着いて」


 ルークは自身に出されたはずのお茶をリズに勧める


「あ、ありがとうございます」


「そのまま飲みながら聞いて欲しい」


 ルークは長椅子に寝かせられた炭鉱夫に視線を送りながら


「彼は帝都から南東のベトナ山の作業員の一人だ、今回の地震はそのベトナ山付近。彼は緊急脱出用の転移魔法の巻物でボクの店に現れた」


 ベトナ山は国内でも有数の銀鉱山でたまに上位の魔法銀ミスリルも採掘出来る帝国所有の場所だ


「彼は第二層から上がって来たのだが入口は落盤で塞がれてしまった、通れないが奇跡的にも通気口が使えるので窒息の危険性は無いが早急な救助が必要だ」


「情報ありがとうございます先生。後は我々騎士団に任せてくだ···」


 ルークはリズの言葉をさえぎ


「済まないが、大至急災害派遣用の転移魔法の許可をお願いしたい。場所は聞いたのでボクが先行して転移先のマーカーを付ける」


「流石先生ですわ」


「ん?何が?」


「こちらの話です。賢者モンド様の巻物スクロールをお持ちください、護衛と連絡役としてアリスを同行させます。後は早馬を···」


「大丈夫、ボクにはが居るから」


 ルークは肩掛けカバンから1体の青銅製の鳥を出す


「後、回復役と料理の出来る人を1人ずつお願い出来ないかな?4人ならどうにか飛べ行けます。その間ボクは炭鉱夫を病院に連れて行きます」


「先生はこちらで待っててください、怪我人はこちらで対応しますので」


 アリスはリズに頼まれ女性だけの騎士団。ミネルバ騎士団の隊舎に向かっている途中、青い猫又[時の大賢者]モンドに呼び止められた


「おい、ハミルっち」


「おっとと···これはこれはモンド師匠」


「お前、リズの先生と先発隊で行くんだろ?」


「お?相変わらず耳が速いですね」


「俺も連れてってくんない?ちゃんと仕事はするからさぁ」


 モンドの思惑は個人でルークの正体を探る事にある、街中をぶらぶらしてるとよく話を聞くのだが帝国内の魔法ギルドや学院では言論統制されたかの様に[ルーク=ローディスは基本の魔法しか使えない向学心の無い魔術界の面汚し]だと言われているし、モンドも数の内に入る[八大賢者]でも筆頭格の聖アルテアからすら


「ん、奴か?奴は我々とは違う。ほっとけ」


 と軽くあしらわれる始末。モンドの師匠であるルークの曽祖父、先代の時の大賢者ランドリッド=バッシュを知っているからこそルークの扱いに苛立ちを隠せないのだ


 しかも本来ならバッシュ家を継いで当主になる筈が弟に家督を丸々譲ってうだつの上がらない生活をしているのもモンドの気に入らない部分の一つでもある


「でもモンド師匠が城に居なかったら誰がポイントから城に転移魔法ゲート受け取って繋げるンです?」


「ぬぅ···それがあったか」


「現場と繋がったら来れば良いじゃないっすか」


「仕方ない、待っててやるか」


「じゃあアタシは行きますねー」


 アリスがミネルバ騎士団隊舎に着くと団員達は既に救助の支度をしていた


「おや、ハミルさん」


 白地に赤のクロスラインが入ったワンピースの団員服と対を成す様に艶のあるショートボブの黒髪の女性騎士が応対する


「カミラちゃん」


ミネルバ騎士団ここに来るって事は騎士団長リズ姉様の要請ですね?」


「そうだけど、ルーク先生の手伝いに同行しない?」


「でも今は騎士団として···」


「ルーク先生が災害派遣の先遣隊に志願したの、アタシが先生の護衛してカミラが救護して炊き出しにもう一人お願い出来ないかな?」


「それなら···バーニィ!」


 カミラに呼ばれたショートカットの青髪の新米女性騎士が駆け足で2人の前に来て簡略式の敬礼をする


「ば···バーニィ=シュヴァールです!よろしくお願いいたします!」


「元気あって良いなぁ」


「元気印のアリスアンタが言いますか。バーニィは最近従者から昇格したばかりなの、料理が上手いから連れても良いかしら?」


「もちろんっ!カミラちゃんが言うなら大丈夫です。よろしくね」


「こ···こちらこそ!」


ミネルバ騎士団ウチの団長には私から言っておくわ、どこで待ってるの?」


「裏門の待合室っと」


 アリスは米俵を担ぐ様に両方に一つずつ荷物を担いでバーニィに着いて来る様に促す


「多分、炭鉱の寮に食器とかあるッスから身の回りの装備だけで良いからね」


「はいっ」


 裏門に到着するとルークと巨大な青銅の怪鳥が待っていた


『お?泣き虫のアリスじゃないか』


「···泣き虫?ハミル先輩が?」


 怪鳥にルークの私塾に通ってた頃の黒歴史ヒミツを言われアリスは顔を赤らめる


「だあっ!黙れっ!この化け物っ!何なんすか先生!」


「そりゃあはキミ達が学校に来る前から居ますからね。部屋の棚にあったでしょ、精巧な青銅の鳥が」


 言われて見ればあった気がする


『現場まで俺がひとっ飛びで送ってやるよ』


「まさか置物が魔法生物だなんて思いもしなかったです」


「言って無いからね。それにカミラちゃんも同行するって?」


「先生の事言ってたら喜んでましたよ」


「あの···」


「どしたの?バーニィバニちゃん


「この方がカミラ先輩の?」


「そだよ」


「カミラ先輩が尊敬される先生と聞いて、もっと厳しい御方かと思ってました」


 ルークは誤魔化す様に軽く笑い


「そう言えば冒険者ギルドにも要請がかかったって?」


「先生の調査次第でどのメンバーを派遣するか決めるそうです」


 医療道具を背中に背負ったカミラがここで合流する


「よし、急ごう。ステュパリテス頼んだよ」


『おう、さあさあ早く中に入った入った』


「あの···私も先生ってお呼びしてもいいですか?」


「構わないよ。教えれる事は多分無いと思うけど」


 ルークとバーニィのやり取りを見てアリスも嬉しくなり


「じゃあバーニィバニちゃんはアタシの後輩だねっ」


 アリスとバーニィが仲良くしてるのを見てカミラは唯一言


「緊張感無さすぎ」


「まあまあ、ステュパリテス空路だから2時間あれば到着するよ?皆、すぐ動ける様にミーティングしておこう」


「「「はいっ!先生」」」


「まずは到着次第カミラとバーニィは転移魔法の巻物を持って少し離れた場所で展開して本隊との連絡路を確保してください」


「え?近くじゃなくて?」


 アリスの素朴な疑問にカミラが


「もし同じ地震が来て土砂が転移門ゲート塞いだら意味無いでしょ?だから鉱山から少し高く離れた場所にするの」


「そっかー!カミラちゃんすごい!で、アタシは?」


「アリスはボクが地図を作ってる間、無防備なボクを守ってて欲しい」


「りょーかいっ」


「先生自らマッピングするんですか?」


「天の魔法の基本のひとつ反響定位エコーロケーションで、ちょっと効果範囲を拡げるだけですよ」


 天の魔法とは空間を意味し、風はもとより音や気圧もそこに含まれ、基礎魔法の反響定位エコーロケーションとはイルカやコウモリの様に反響で周囲を確認する魔法である


 バーニィはカミラとアリスを小声で呼びつけ


「先輩方ちょっと」


「どしたのバーニィバニちゃん


反響定位エコーロケーションって有効範囲そんなに広く無いですよね?そんな基礎魔法で国内有数のベトナ鉱山を調べるんですか、それなら騎士団総出マンパワーで調べた方が効率的では?」


「先生なら大丈夫」


「アタシ達はアタシ達の仕事に集中しよ?先生に任せとけば大丈夫だって」


 するとステュパリテスが話しかける


ルーク旦那、ベトナ鉱山に着くぞ』


「ありがとう、キミから見てどうなってる?」


『ちょっとやべぇな、山の中腹が崩れて入口塞いでやがる。外の作業員が人力で穴ぁ掘ってるのが見える』


「急ぎましょう!」

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る