第14話 バルタザール処刑後

俺はバルタザールを殺した。


バルタザールの死体は完全に消したため、バルタザールは消息不明扱いになった。


世間ではバルタザールは国外に逃げたと言われており、残された元妻と娘は強いバッシングを受けることとなった。


まあ、それは俺の知ったところではない。


バルタザールの悪行を知らなかった遺族にはこれといった罪はないのかもしれないが、バルタザールの汚い金でぬくぬくと生活していた罪も多少はあろう。


さて、俺はヴェスパーに任務報告に来ている。


「ヴェスパー団長、バルタザールを始末しました。」


「今回はメディアを使い、派手にやったな。

 しかし、死体が無く、消息不明と聞いているがどういうことだ?」


「ええ、骨を粉になるまで砕き、トイレに流しましたからね。

 一応、証拠用にやつの骨の一部を持ってきました。」


「なるほどな。

 よし、よくやった。

 その粉をDNA解析した後に報酬をやろう。」


「さて、次の任務もあるが、もう受けるか?」


「いえ、数日だけ休みをもらいます。

 ちょっとガールフレンドができましてね。」


シャーロット会長とデートをしなければならないのだ。


「そうか、メスができたか!

 って、お前には愛人のリラがいるではないか!

 浮気かー?」


リラの視線が痛い・・・。


「ま、まあ一夫多妻と言いますかね。

 あはははは。」


リラがすかさず口をはさむ。


「おい、当然わたしが第一夫人で最も優先されるんだろうな?」


「あ、ああ。もちろんだ。

 本命はリラだ。」


まあこれは本心だ。


シャーロットのことは好きだが、あくまでその場しのぎの告白をしたまで。


「ジェイク、お前モテモテだなあ。

 一夫多妻なら、あたしも入ることができるのかい?

 無論、あたしは第3夫人でいいぞ。

 わっはっはっは!!!」


俺はヴェスパー事務所を後にした。


しかし、ヴェスパーは本気なのか冗談なのかわからん・・・。


「やつは結構本気だぞ。

 わたしにはやつの本心がわかるからな。」


リラは俺の心を読み、そう言った。


「うそだろ!?

 俺、ヴェスパーに惚れられるようなことしてないぞ!?」


「ああ、だがな。

 お前はやつの亡くなった弟に似ているらしいんだ。

 そうとうなブラコンだ、お前のことが愛おしくて愛おしくて仕方ないといった感じだ。」


え、そうなの!?


「亡くなった弟さんねえ、なぜ亡くなったんだろう?」


「いや、そこまでは読めん。」


「そうか。」


まあ、ヴェスパーと話すうちにわかることもあるだろう。


あまり深入りはしまい。


「そうだ、シャーロット会長とのデート中、リラはどうするんだ?」


リラはよく「ジェイクとは永遠に一緒にいる」みたいなことを言って、常に横にいる。


しかし、デート中も横にいるのはさすがにおかしいだろう。


「まあそうだな。

 わたしはジェイクたちを尾行するようにしよう。

 変装して後ろをついていくさ。」


リラは続ける。


「そうだ!

 今日は変装用の服を一緒にいに行かないか?

 あの女だけジェイクとデートするのは不公平だ、わたしともデートしろ!」


なんて可愛いんだこいつは。


はやく抱かせてくれ!


「ああ、いいよ。

 今日はリラとのデートだ。」


そういえば、暗殺や拷問以外でリラと出掛けたこと、無いかもな。


そんなわけで、俺とリラはデートに出掛けた。


「この洋服屋、かわいいではないか。

 わたしに似合いそうなものがあるかもな。」


「ああ、入ってみよう。」


リラはピンクのワンピースを手に取る。


「なあ、これ、どうだ?」


「ああ、いいな。

 試着してみてはどうだ?」


リラが自分の身体に洋服を嬉しそうにあてがうので、俺は試着を促した。


「ああ、そうだな、試着室はこっちか?」


すると、リラが試着室に入る。


俺は外で待っているようにすると、リラが俺の腕を引っ張る。


「ジェイクも中にはいれ!」


俺は試着室に連れ込まれる。


2人ではすごく狭い。肌と肌が触れ合うほどだ。


ドキドキする・・・。


「おい、ジェイクが緊張しては、こっちまで緊張してしまう。」


俺の緊張がリラに伝わってしまった。


リラが着替え始める。


おいおい、生着替えかよ、俺、我慢できねえぞ。


童貞の精力なめんなよ、リラ。


リラは今着ている白い服を脱ぐ。


リラの白い柔肌に白い下着、ブラからあふれんばかりの胸。


俺はそれを舐めるように見回す。


ごくり・・・。


リラがこちらをちらりと見た。


「ほう、わたしの色香に発情しているな、ジェイク?」


「し、仕方ねえだろ!俺も男だ!」


すると、リラの下着姿は名残惜しいが、リラが着替え終わった。


「どうだ、似合っているか?」


いつもの白い服とは違う、余所行きのリラに俺はドキッとした。


「あ、ああ。すごく似合ってるぞ。」


ピンク色のワンピースは、いつもの白い服のクールな感じと違って、かわいらしい感じだった。


「よし!では、これにメガネと帽子を組み合わせて・・・。

 変装完了!」


メガネと帽子でドジっ子インテリ美少女っぽくなった。


俺の性癖にぶっ刺さる!


「はは、気に入ってくれたようだな、ジェイク!」


リラは上機嫌だ。可愛い。


こうして、俺たちは会長とのデートの準備を終えた。



=== 作者あとがき ===


次回、会長とデート!


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