第9話 バルタザールという男
バルタザールという男。
大学学長、69歳。
高慢、つまり、自分は他人より優れているという意識が強い男であった。
それも、彼の生い立ちがゆえだろう。
彼はごくごく一般の家庭に生まれた。
父母ともに一般のサラリーマン。
父母の能力は特別優れているわけでもない。
しかし、彼は違った。
バルタザールは神童と呼ばれるほどの天才だった。
トンビが鷹を生んだとはこのこと。
しかし、幸か不幸か、それが彼の高慢さを増大させた。
彼はこう考えるようになった。
両親は平凡なのだから、自分も本来は平凡。
しかし、己の努力でここまでの神童になったのだ、と。
そして、自分より優れていない者は、自分より努力が足りないクズなのだ、と考えるようになった。
いつしか、その考えが転じ、自分より優れていない、努力の足りないクズには何をしてもいい、という考えに至った。
そうして、彼は自分よりも劣る学生から多額の学費を巻き上げ、私腹を肥やすようになった。
彼にとって学生は金づるでしかないのだ。
ここで、彼の犯罪を並べてみよう。
〇高額な学費
学費を本来よりも高額に設定し、その余分で私腹を肥やす
〇不正入学
貴族の学生を不正入学させる代わりに多額の賄賂を受け取る
〇不正卒業
卒業できない学生に金銭や身体で見返りを求め、不正に卒業させる
〇企業斡旋
企業に学生を紹介する代わりに私的に賄賂を受け取る
〇研究員斡旋
国に研究員を派遣する代わりに私的に賄賂を受け取る
自分よりも劣る人間からはとことんかすめ取る、それが彼のモットーなのだ。
彼の卑劣さが最も表れているのは、不正卒業だ。
本来、学生はテストに合格できないと卒業できず、またもう一年分の学費を支払い、テストを受けなければならない。
バルタザールはその学生の弱みに付け込み、卒業させる代わりに金銭や身体を要求するのだ。
「学長、私は絶対に今年までに卒業しないといけないんです!
両親との約束なんです!
卒業させてください、お願いします!」
卒業することができない女学生がバルタザールに頭を下げる。
「しかしのう、それは不正卒業じゃぞ、わかっとるのか?」
「はい。
でも、仕方ないんです!
今の私にはこうして頭を下げてお願いすることしか・・・。」
「では、卒業のためなら何でもすると誓うな?」
「は、はい!誓います!」
女学生は返答に一瞬ためらうも、彼女には肯定することしかできない。
そして、学長はニヤッとする。
「ほうほう、何でもするか何でもするか。
では、ちと乳を揉ませてもらうぞよ?」
「え、それは・・・。」
困惑する女学生。
「なんじゃ!
何でもすると言ったではないか!
それでは卒業はさせてやれんな!
帰るがいい!」
女学生の目には涙が浮かぶ。
女学生には肯定しか許されないのだ。
「はい、胸を揉んでください!」
「そうじゃそうじゃ、それでいい。」
バルタザールは女学生の胸をまさぐり、顔をこすりつける。
「うんうん、若い乳はええのお。」
すると、バルタザールは声色を変える。
「次じゃ、わしのこれを舐めよ。」
バルタザールはパンツを下ろし、陰部を露出させる。
女学生は失意と絶望の表情。
すでに精神は死んでいる様子だった。
彼女はもう何も考えず、バルタザールの陰部を口で愛撫した。
「じゅぽじゅぽ」
「おーええのええのう。
お前、彼氏で鍛えとったか?
なかなか上手いではないか。」
そして、彼女は考えた。
ここで学長を絶頂さえさせれば、最後までヤられることはないのではないか、と。
そうして、彼女は高速で愛撫した。
「おおおおお!!!
あ"あ"あ"あ"あ"!!!」
その結果、学長は絶頂を迎えた。
「ふうふう・・・。
お前、なかなか良かったぞ。」
しかし、女学生はまたしても絶望する。
バルタザールの陰部は萎れるどころか、まだまだやる気だったのだ。
「さあて、次はお前がパンツを脱げ。」
女学生は死んだ目をしたまま、何も考えず、パンツを下ろす。
その先はご想像にお任せしよう。
何とむごい話か。
このバルタザールという男は権力を乱用し多くの犯罪を犯しているにもかかわらず、捕まらない。
それも当然。
裁判所や政界の重鎮の子どもはほぼすべてバルタザールの手によって不正入学している。
つまり、政治、裁判所もグルなのだ。
彼はこうして今もなお、学生たちから金を、身体をかすめ取っているのだ。
そうして集めた金は不動産や株式にまわし、子孫に残そうとたくらんでいる。
狡猾な男だ。
この男には相応の罰を、死をもって償わさせなければならない。
この男から、財産も命も、すべて奪う必要があるのだ。
それが人類のためなのだから・・・。
=== 作者あとがき ===
次回、生徒会メンバー登場!
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