第4話 古代の守護者との決闘
広大な平原に立つユウの前で、巨大な影が揺らめいていた。守護者の剣は光を反射し、その鋭さがただの幻ではないことを示していた。ユウの手は剣の柄に自然と触れ、その冷たさが現実を突きつけた。
「試練を乗り越えなければ、ここからは進めない……」ユウは心の中で自らに言い聞かせた。守護者との戦いは避けられない。彼の仲間たち、そして世界樹の真実にたどり着くためには、この試練を突破しなければならないのだ。
「我に挑むか?」守護者が低い声で問いかける。
「俺は、この迷宮を攻略し、世界樹の秘密を解き明かすために来た。試練を受け入れる!」ユウは力強く答え、剣を抜いた。
守護者は静かに頷くと、巨大な剣を振り上げ、ユウに向かって一気に突進してきた。その速度は信じられないほど速く、ユウはとっさに剣で受け止めようとしたが、衝撃で体が浮き上がるほどの力を感じた。
「くっ……!」ユウは辛うじて地面に踏みとどまり、守護者の攻撃をかわしつつ距離を取った。守護者の力は圧倒的だったが、冷静に観察すればその攻撃には隙があることに気づいた。
「この攻撃……パターンがある!」ユウは守護者の動きをじっくりと見極め、その攻撃を受け流すことで自らの立ち位置を整えた。相手の動きが少しずつ読めるようになるにつれて、反撃のチャンスも見えてきた。
守護者は再び大きく剣を振りかぶり、ユウに狙いを定めたが、ユウはその動きを先読みし、素早く横へと跳んだ。守護者の剣が地面に叩きつけられ、衝撃で土煙が舞い上がったが、その一瞬の隙をユウは見逃さなかった。
「今だ!」ユウは守護者の懐に飛び込み、剣を鋭く突き立てた。
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「我が試練を乗り越えたか……」守護者は少し後退し、ユウを見つめた。その目には何かを認めたような光が宿っていた。「この試練に勝った者には、世界樹の力の一端を授けよう。」
守護者はユウに向かって手を伸ばし、彼の手のひらに小さな光の球体を授けた。それは、世界樹の魔力を秘めたものだった。
「この力を使い、迷宮の深奥へと進むがよい。だが、覚えておけ……力を求めすぎれば、お前自身がその力に飲まれることになるだろう」
ユウはその警告を心に刻みながら、光の球体を握りしめた。「わかった。この力を正しい目的のために使う」
守護者は静かに頷き、姿を消した。目の前の光景が揺らぎ、次の瞬間、ユウは再びクリスタルの前に戻っていた。
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「ユウ!」リナが駆け寄り、彼の無事を確認した。「大丈夫?何があったの?」
「試練を乗り越えた。守護者と戦って、世界樹の力を授かったんだ。この力で、迷宮の奥へ進めるはずだ」ユウは手の中で光の球体を見せた。
「すごいわ……でも、その力は本当に安全なの?」リナが少し不安げに尋ねた。
「守護者は警告していた。力を使いすぎれば、危険だと。だから、慎重に進もう」ユウは仲間たちにそう言い、迷宮のさらなる深奥へと向かう決意を新たにした。
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