『合作の恋愛小説を書くから』という理由で、学内一可愛くてからかい好きな文藝部部長から迫られています。 旧題:合作小説の書き方
往雪
プロローグ(※本編とはあまり関係ありません)
いつもは
「──ずっと前から好きだったんだ。別にいいだろ?」
壁に手を着いたカズキは、私の
「だめだよ、カズキ。……ここ、学校だよ?」
だけど、その言葉の内容とは裏腹に私は抵抗できずにいる。
「……どうせ部室には誰も入ってこれないさ」
強引に肩を抱き寄せられ、私は思わず目を
「あ、カズ──っ、んっ」
ふいに口が
お互いの息が切れるまで、深いファーストキスは続いた。
「っ……はぁ、はあ……んっ、カズキ」
「アヤカ……」
互いの名前を呼び合い、ごく至近距離でとろけた目と目が合う。
肩に添えられていた手が私の背中に回され、ぎゅっと強めに抱き締められる。
「……今日、家。誰もいないから。続きはそっちでなら、いいよ」
「わかった。……じゃあ、一旦帰ろうか」
「うん……」
内側から閉められていた部室の鍵をカズキが開け、私の手を取って歩き出す。
ああ、これから大人の階段を上っちゃうんだ……。
なんてことを、私は考えていた。
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