句点(。)ごとに100年たつストーリー
みんQ
第1話
どうも、私は他と違うらしい。
父と母は、普通だった。
ゆえにもういない。
好きな者もできたが、すぐに消えた。
友人もできたが、やはりいなくなった。
やがて、私は追われるようになった。
このころは、私を悪魔だと言っていた。
だが少し場所を変えれば、神だと言われた。
神と呼ぶほうへついて暮らしたが……私を悪魔と呼ぶ者が追ってきて、彼らはいなくなった。
また好きな者ができたが、やはり消えた。
今度は、私を神でも悪魔でもなく、金と永遠の命の詰め物として追うものが現れた。
私は逃げた。
まずは村へ。
次に山へ。
それでも彼らは私を追った。
だから私は、食物のタネもつぶれるような海の底へ逃げたが……それでも彼らは追ってきた。
水底の割れ目へ飛び込み、そこで彼らが過ぎるのを待った。
待って、待って。
待ち続けた。
静かになったので、私は外へ出た。
追ってこない。
海を出た。
追ってこない。
浜に出て、町を目指した。
町は──どこにもなくなっていた。
好きな者を探し、見つけたが、すぐにいなくなった。
友人も見つけたが、やはりいなくなった。
私は気持ちだけが重く肥えて、私の足を戒めるのを感じたが、それでも探した。
死のうとしたが、死ねなかった。
私の始まりの地で、別の形をした者と出会った。
それは『お前は何者か』と問うてきた。
私は神だ、と答えた。
句点(。)ごとに100年たつストーリー みんQ @minQchan
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