僕の神社にはどうやら霊がいるようです
緑のかゆみ
第1話 霊なんて信じない
ピピピッ ピピピッ
今日から憂鬱な月曜日がはじまる
と思いつつも僕、
リビングに行くと僕の母がテレビをみていた
「あら修吾おはよう。珍しいわね。アラームで起きれるなんて」
別にいつも寝坊してるわけじゃないんだけど...と思ったが、母があるものを見ていて気になった
「雑誌...?なんで雑誌なんか読んでるの?」
珍しいな。テレビ派の母が雑誌見てるなんてと思ったが理由はすぐに分かった
「これをみていたのよ!ほら!うちの神社が出てるのよ!」
そう。僕たち鈴川家は代々伝わる長い伝統を持っている神社を経営している
なんでも、僕のひいひいひいじいちゃんからずっと受け継がれているんだとか
雑誌を見ると自分が住んでいる町のおすすめスポットというところに、僕たちの神社が載っていたのだ。それも結構大きく載られていたから、自分としても嬉しい。
嬉しいのだが...
「おすすめの心霊スポット???」
そう。自分たちの神社がおすすめの肝試しスポットとして取り上げられていた
いやいやなんで!?僕も何回か神社の手伝いをしたことあるし、そんなうわさも聞いたこともない。てか、おすすめの心霊スポットってなんだよ!
雑誌によると、なんでも女性の霊がさまよっているとの目撃情報が相次いでるとのことだそうだ
「さすがにこんなのデタラメだよねぇ母さん?」
「さてと、私は洗濯物をほしますかねぇー」
おい母よ、そこは反応するところでしょうが!という突っ込みを心の中で決めた
てか、時間まずくね?そう思った僕は、そそくさと家を後にした
午前の授業が終わり、お昼ご飯の時間がやってきた
僕は今日も端っこの特等席でお弁当を食べる
え?友達と食べないのかって?ハハ、一緒に食べる友達いたら苦労してないよ。
そんなこと思ってたら、隣の子の話声が聞こえてきた。
「そういえばさ、鈴川神社って神社知ってる?」
『知ってる!知ってる!あの公園の近くにある神社でしょ?』
「そうそう!あそこを夜に通ると、女の霊が出るんだって!」
『えー!何それ!めっちゃ怖いんだけどぉ!』
「..................」
どうやらこのデタラメはかなり広まっているみたいだぞ...
ピロリンッ
ちょうどいいタイミングでRINEの通知がなった
相手は母からだった。
「今日の当番の子体調不良で休むみたいだから、今日の神社の当番変わってくれる?ちなみにボーナス出るわよ」
あのなぁ母よ、ボーナスが出るからって僕はお金にがめつい男じゃないからさぁ
まぁ、友達いない僕に予定ないからいいんだけど...
RINEの返事をして次が体育だと気づいた僕はすぐに着替えて教室を出た
時間は午後19時
学校が終わり、僕は鈴川神社の掃除をしている。にしてもあの雑誌からなのか前より多くの参拝客が来ている。ただ、その肝心の霊なんて今のところ出ていない
「ほーら、やっぱり何も起きないじゃないか!やっぱり霊なんてここにいるわ...」
「きゃああああああああああ」
「!??」
女の声の悲鳴が聞こえてきた。それもかなり近くで
俺は急いで声のした方向に行くと、若い女性二人組が急いで逃げていった
「一体何があ......った.......」
そこには、高校生くらいの女性の霊がこちらを見ていた
「れ、れ、霊がでたぁぁぁ!!は、早く除霊を!!ってあれ?怨念を感じない?」
その霊からは、まったく怨念を感じないどころか、どこかさみしそうに感じる
「.........................」
「あ、あの、、」
「っ!?わ、たし、のこ、と、みえる、の?」
「あ、はい。一応ここの神社のものなので...」
「!!!!!!!!」
霊は、顔を赤くしながらどこかに消えていった
一体何だったんだ?今の....
その後は何も起きないまま今日の仕事を終えた
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます