第4話

俺は今わざと遅刻をしようとしている。ゆっくり歩いていると心が落ち着いてきた。何だか今なら何が起きても冷静で居られそうだ。

8時30分学校中にチャイムの音が鳴り響く。

俺はチャイムの音が聞こえないぐらい遠く離れた公園でブランコを漕いでいた。朝一の公園は誰も居らず、ブランコを漕いでいると心地よい風が吹いてきた。

なんて清々しい朝なんだ!

そう、心の奥底で叫んだ。次の瞬間、ふと横を見ると、何か言いたげな顔でこちらを見ている警察官が立っていた。

……。なんだよ、学生が少しサボるぐらい普通だろ?こんな所で道草食ってる暇あるなら悪いやつ捕まえろよ、と心の中で愚痴っていたのだが、どうも様子がおかしい。近づいてくるのでもなく、かといって無視をする訳でもない。そこで、俺は気づいた。あれは警察官じゃない。生徒指導の先公だ。それにしてもなんであんな格好をしているんだ……?脅かそうとしているのか?とりあえず、学校に向かうか。ここでいても微妙な空気が流れるだけだ。

俺は忘れていたんだ。生徒指導の先公が男女交際禁止という校則を作った鬼山だったということを……。

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