第12話 お見舞いと久しぶり

 次の日、目を覚ましてすぐに隣にいたパパが抱き着いてきた。


 なんでも、気絶したときにお風呂に突っ伏して意識を失ったから、大量に水が入ってきてしまい、結構危なかったらしい。



 その後はお医者さんと一緒に来たママに泣きつかれながら、話を聞いた。

 今日、午後から検査をして異常がなければ明日には退院できるらしい。


 本音を言うと今すぐ帰りたいけれど、そうもいかない。



「すいちゃんっ!!」


 そう言って私を抱きしめてくるママ。隣でその光景を見ているパパ。

 名前の後の続きが聞ける日が来るのだろうか。わからない。やっぱり私はわからない。何も。






「紫水っ!!!大丈夫っ!?」


 いつもの余裕ある態度とは真逆にものすごく焦ったルイちゃんの登場に両親は歓喜している。

 ルイちゃんも私を見るなり、抱き着いて耳元でそっと囁いた。




「わたくしを置いて勝手にいなくなったらだめよ」


 私がルイちゃんを置いていなくなるわけがない。だから、


「安心して。そんなことより、やっぱり私は汚いよ」


 と、ルイちゃんにしか聞こえないくらいの大きさで答えた。







 午後には検査が行われ、お医者さんからOKが出たので明日退院することになった。両親は話すことがあるらしくて呼び止められていた。長くなりそうだったので先に看護師の人と病室に向かった。

 向かっている途中入院中の小さな女の子が話しかけてくれた。社不である私とも会話するコミュ力の塊。将来は立派な陽キャの姿が見えた気がした。

 そして最後に、


「お姉さん、なんか、こう、天使みたいだね。じゃあね」


 て、んし?聞いたことのない単語だ。よくわからない。

 ・・・まぁ子供のお世辞だろう。どちらかというとあの子のほうが天使ぽかった。


 病室の前で看護師さんと別れ、中に入ろうとしたら、


「あら、紫水。あんなちっちゃい子にまで手を出そうとするなんて、いやらしいわね」

「る、ルイちゃんあれは別にそういうんじゃないよ」

「まぁ、いいけど。・・・さっきも言った通り、もし、わたくしを置いて4んでみなさい。ただではおかないわ」


 胸元をつかんで上からの目線で言ってくる、ルイちゃんは凛々しくかっこよかったけれど、どこか寂しそうに見えた。










 次の日、退院の手続きをして家に帰ってきた。

 やっぱり家は最高だ。



──────────────────────────────────────


ターン・エンド!!

一瞬で病院編終わりました。

もしかしてペース早い?もっと丁寧に書いたほうがいいかな?

まぁ多分ゆっくり書いたら俺が飽きちゃうからゆっくり丁寧には書けません。



次はもしかするとルイちゃんのライバルが再登場するかも・・・?



では、また。

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