神殺し奇譚シリーズ第2話

@takumaru0506

神呪様



和服の少女とお面をつけた男性を気になり何日も探し歩いた。

しかし一向に見つからない。

ある日、仕事を終えバスで帰宅していると目の端に和服の少女の姿を捉えた。

すかさずバスを降り少女を探すも姿がない。

見間違いか。項垂れその場を後にしようかと、ふと路地を見たら少女の姿がある。

すぐ様駆け寄り、少女に(探したよ。元気だったかい)と問いかける

少女は軽く頷き俺の手を取り路地の奥に進む。

俺は少女に問いかける。待ってまず君の名前を教えてくれるかな?後どこに連れて行くの?

少女は小さな声で、名前は熙(ひろ)と呟く。

神呪様がお待ちです。神呪?

あの、お面男かい?

少女は漆黒に染まる夜に金色の瞳を輝かせ頷く。

子供とは思えない力で手を引かれ。導こうとしてるのか、迷わせようとしているのか?

少し歩くとお面男が縁台に座りながら山盛りになった団子を頬張っている。

少しその光景を眺めていると、呆れた熙が神呪様と声をかける。

男性を頬張りこっちを驚いた様にみるお面男。

やぁ!久しぶりだね!

軽口、軽薄な態度でこちらに寄ってくる。

俺は思わず神呪にここは何処だ?と尋ねる。

神呪はあははは。と笑いながら言う。

ここはどこでもない!あの世でもこの世でもない

俺は目を白黒させる。

神呪は言う、君の存在その物が呪いであり武器になる。君の今までの常識は捨てて置いた方がいい。差もないと死ぬぞ!と屈託なく笑う。

そうこの場所は呪いと怨嗟が渦巻いているから。さぁ行こうか!呪いの坩堝に。

神呪はお団子をもぐもぐ食べながらお祭りを楽しむ様な笑顔でこちらを振り向く!




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