わたしの名前は
◯行雲◯
【あんこをまとった者です】
私のことは年中見かけると思うわ。
意識して下されば。
もち米をふかしてつぶして
丸めた者ですから。
洋服はあんこ一色。
たまにパウダーはたいて
きな粉の化粧してたりね。
照れるわ。
洋服ぬいじゃえば
ただの白いモチモチ肌ですよ
そりゃ餅ですから。
そんな者ですけど
けっこう風情なんて大事にしてまして。
季節感あるんですよ。わたし。
こう見えて。
名前を変わるんですの
季節ごとに。
春は 《ぼたん》
秋は 《はぎ》
ってね。
でも、人は1つしか名前もたないんでしょ。
もったいないわね。
いっそのこと、
季節ごとに変えちゃいなさいな
名前を。
気分変わるわよ。
2つの名前を持つ苦労…?
それは、もちろんあったりするわ
呼び方、
よく間違えられちゃうけど
気にしないわ
大人げないじゃない
いちいち指摘してたら
さてよく聞くのはどっちかしら。
ぼたもち ?
それとも…
おはぎ ?
あ、ちょっと待って…
あらやだ。
あたしの値札シールの名前
変わってないじゃないの!!
今、秋だから
おはぎよ!おはぎ!
同じあんこ餅と思ったら大間違いだからね…!
わたしの名前は ◯行雲◯ @suemama
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます