第3話 違う?
少し遠く離れたところから、その子は、にこやかに私の方を向いて手を振っていた。
あれ? 確かに見かけた 顔だけど名前すら出てこない。 でもまぁ私は、小走りにその子のところに行った。 ニコニコしているその子は私と目が合っても 笑顔のまま 立ち止まっている。違う?私じゃない?と思い、私のうしろを振り替えるも誰もいない。私しか居ない。
どうしよう?このまま 突っ立っていても気まずいなぁと思い 、その子の方を向き直して「 ごめん 誰だっけ ?」と、 聞いてみようと思い その子の方に向き直した。
けど、いない。誰も、いない。
はっ?一瞬で立ち去った?訳が分からない。
だって、その道は 見通しの良い 一本道で脇に入るところなんてどこにもなくて、 その子 どこに消えちゃったんだろう。 時々思い出す 大人になり その道を車で通るたびに……
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