第6話

06.



ーー咲優へーー



優花には話していたんだけど、咲優にも話しておくべきだと思ってこうして手紙に書いておくことにしました。


具合いが悪くなり始めたとき、実は心当たりがあって。


その少し前に女の人が私に花を持ってきたの。


咲優の友達って言ってたわ。


とても綺麗な花束で咲優からのプレゼントだと言われてすごく嬉しかった。


だから大事に部屋に飾っていたの。


それから段々と苦しく、体調が悪くなっていって……


私、今になって思ったの。


あの女の人は本当に咲優の友達だったのかと。


あの花が原因で具合が悪くなっているのなら、私は大変な勘違いをしていたのでは無いかと。


だって咲優がそんなことするはずないもの。


ただ、あの時は何も疑ったりしなかったけれど今思えばあなたが贈り物をするときは直接来て渡してくれていた。


友達に頼んだりしないんじゃないかと。




その後具合いが悪くなって真也さんに診てもらってたのだけど、私と薬の相性が悪いのか毎回薬を飲んだあとに毎回息苦しさと吐き気があってせっかく出してもらった薬を吐いてしまうことも少なくなかった。


真也さんに相談したのだけれど、薬の副作用だろうってことで今まで飲み続けていたけれど、もう飲み込むのもやっとになってきた。




もう私は長くないと思うわ。


たくさん心配かけてごめんね。


体調がどんどん悪くなる一方であなたのこと全然支えてあげられなかった。


でも真也さんと幸せそうでお母さん嬉しいわ。


咲優、幸せになってね。


それと、優花と一緒に蘭と美桜をよろしくね。




ーーーお母さんよりーーー






私の友達……女の人……花束……


もちろん全て私の知らないこと。


まさか具合が悪くなった原因も真也の……?


そうとしたら女の人ってのは誰なの?


……いや、その前に。


優花お姉ちゃんも知ってた……?


お姉ちゃんは、ずっとお母さんの傍で看病してくれていた。


もしかしてお姉ちゃんは最初から分かって……




  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

最低夫に最高の復讐を moa @moa_20211128

現在ギフトを贈ることはできません

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ