アマビエ♂の日常

夢月みつき

本文【アマビエ♂の日常】

「アマビエ♂の日常」登場人物紹介

 

 アマビエ

 疫病退散妖怪連合えきびょうたいさんようかいれんごうリーダー、半魚人型人魚の妖怪。


 神社姫

 疫病退散妖怪連合メンバー、紅一点、蛇女。美人。


 アマビコ

 疫病退散妖怪連合NO2、アマビエのブラザー。獣型妖怪。


 くだん

 疫病退散妖怪連合メンバー、体は牛、人面の赤ちゃん妖怪。


 ヨゲンノトリ

 疫病退散妖怪連合メンバー、頭が二つあるカラス型妖怪。


 ★☆∴─────────────────────────∴★☆


 俺、アマビエ、オス。400歳!

 疫病退散系妖怪!コロナ禍の時代はそこそこ人気な妖怪だった。

 魚人型人魚、人間からは、ほぼ忘れられてる俺だけど。



 コロナや疫病はまだまだ、あるから気合入れてる。

 今日もアマビエしんけんが火を噴くゼ、OK?



 俺が、仕事から帰って来て一息付いていると、同居している疫病退散妖怪仲間のヨゲンノトリ、神社姫、くだん、ブラザーのアマビコが帰って来た。



 寡黙かもくなアマビコは、赤ん坊のくだんをあやしながら早々に横になってしまった。



 神社姫は、鱗の手入れをしていて、美に余念がない。

 俺はと言うと最近、ハマったスマホゲームをしていた。

 ふいに鱗の手入れをしていた神社姫が、声を掛けて来た。



「ねえん、アマビエ。そろそろ、あたし、新しい化粧品欲し~い」

 語尾にハートを付けて、色っぽく頼んで来たが、俺は素っ気なく返答を返す。



「先月、さざえ鬼の店で買ってやったろ?」

「あれはあれ、今回のは、うわんのお店の新作なのよん」

「あ~、また今度な」



 右手を横にひらひらと、振って断る。

「ああんっ、けちっ」

 神社姫は、ぷりぷりと怒りながら部屋へと戻って行った。



「さて、そろそろ鍛錬でもするかな」




 俺が庭でアマビエ神拳の為の瞑想をしていると、けたたましい鳴き声がして来た。


 ヨゲンノトリだ。頭が二つあるから、はっきり言ってうるせえ。



「アニキー!アマビエのアニキ!ギャーギャー」

「なんだ、ヨゲンノトリ、うっせえな。全然、瞑想が出来ねえじゃねーか」



 俺は、目を見開いてヨゲンノトリを軽く睨む。



「新しい疫病が出やした!出やしたー!!」

「そうか、新たな奴が!」



 俺は、愛用のナックルを両腕にはめる。


 仲間達もそれを察知して、次々と家から出て来た。



「いくぞ、ヨゲンノトリ」

「あいあい、アニキ――!!!」



「準備はいいか、アマビコ、くだん」



「承知した!」

「わかってまちゅ」



「神社姫、行けるか」

「あらん、あたしはいつでも、イケるわよん」



「新たな敵が現れた! 疫病退散妖怪連合えきびょうたいさんようかいれんごう、出陣!!!」



「「「了解!!!」」」


 -終わり-



 お読み頂いてありがとうございました。

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