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第85話
「お昼ごはんはなにが食べたい?なにが好き?この際だから、モネが好きなもの全部教えてくれる?」
「今日もお掃除頑張ってたね。すごく可愛かった」
「尻尾用のオイルを買ってみたんだ。これでもっとツヤツヤにしてあげられるね」
「モネ、もっとこっちにおいで。俺の腕の中が一番あったかいよ」
「あ、新……もっと手加減して……」
手加減?と首を傾げる新は、以前よりも明らかに輝きが増していた。満たされてます、というオーラが全身から放たれている。
先日初めての嫉妬を経験した新は、なにかの閃きを得たらしい。私に対しての遠慮というものが一切なくなったように思う。
トイレとお風呂以外はぴたりとくっついてくるし、何かしらの甘い言葉を垂れ流し続けている。
…私はもう、タジタジだった。
新の甘やかし攻撃は止まらないどころか、威力が倍増するって一体全体どういうことなの?
「新って……めっちゃ変」
「ええ?そう?たとえばどの辺が?」
「だって、私をお世話して楽しい?面倒臭くないの?」
「……モネは分かってないね。こんなに愛らしくて、癒される存在は他にいない。一度知ってしまえば、全人類モネを甘やかさずにはいられなくなるよ」
そんなこと絶対ない。まず、普通の人は獣人をすんなりと受け入れられないと思うんだけど。
でも、新はちがう。私の三角耳とか尻尾を見ても、引かないどころか愛でる対象になっちゃってる。新はやっぱりめちゃくちゃ変わってる。
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