第81話
「俺が答えれる範囲なら全然いいよ」
「あのね、芹沢くんから彼女になりそうな人がいたって聞いたんだけど、その女の子はどんな人だったの?」
本人の口からは怖くて聞けずにいた。
“相手が俺のことを彼氏にしたがってたって言った方が正しい” “どんなに言葉が良くても見ればわかる。本気かどうかくらい”
あの時の言葉が、表情が今でも私の胸に突き刺さっている。
「俺はその子のこと好きじゃなかったなぁ」
「……へ?」
「どんな子かって言われたら多分花房さんとは正反対だと思うよ」
あまりにもアバウトな答えで主観的すぎる。
私が求めていたものとは違う。
芹沢くんの彼女になりそうだった人と私が正反対?
「どういうこと?」
「ちゃんとした答えは怖がらずに崇音に聞いた方がいいよ」
「…そうなんだけど」
「崇音も花房さんも似た者同士だね」
私の知らない芹沢くんを知っている仲宗根くんは傍観者の微笑みを浮かべた。
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