第3話
『──本格的に暑い夏がやって来たって感じですよね。皆さんも熱中症には気をつけてこまめに水分を摂るようにしてください』
テレビから聞こえてくるアナウンサーの声に負けじと、家の外では蝉が元気よく鳴いている。
7日という短すぎる命。その時間をそれに費やしているのは何だか勿体ない気もするけど。
「暑いのは嫌だけど、これを着れるから良いんだよねぇ」
今日クローゼットの中から引っ張り出してきた夏用の制服を見下ろして、にんまりと口角を引き上げた。
私の学校の冬用の制服ってあんまり可愛くないんだよなぁ。
高校に入学してから今日まで毎日身に付けていたけど、やっぱりブレザーが暗い紺色だから映えない。
でも夏は爽やかな水色のシャツに紺色のスカートで気分が爆上がりする。
そして何よりも可愛いのがこのブラウンカラーのチェック柄のスクールリボンだ。正直なところ、夏の制服が可愛いのも今の高校を選んだ理由のひとつでもある。
四季の中で私は1番夏が好きだ。
明るいカラーの服に、アクセサリーは太陽の光に反射して輝く。肌見せのコーデだって出来るし。
夏と言われて思い浮かぶのはこれまでの楽しかった思い出たち。
鮮やかな青色の海に、美味しいお肉が食べたBBQ、女友達とはしゃいだビーチ。
私にとっては煌めきがいっぱい詰まった季節だ。
だからどんなに暑くても楽しいことがあれば乗り越えられる。
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