「桜」「笛」「浮かぶ」
散歩の途中、 桜咲き揃う公園に立ち寄った。 満開の桜をふと下から見上げると、小さな妖たちが桜の枝にちょこんと座り花見をしていた。
まあるくてふわふわしている彼らは、なんだか玉麩に似ていた。 あまりにもかわいらしくてしばらく眺めていると、 遠くで笛の音が響いた。途端彼らは満足したように笑い、 花と花の間からゆっくりと空へと昇っていった。
そうして、最後はぱちりと弾けて消えてしまった。ひとり取り残された私は、少しだけさみしくなった。
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