第68話

『うるせーなー!黙っとけよ!』


焦り過ぎていた自分が急に照れ臭くなった




だけど…




ちゃんと伝えなきゃ…


…もう失いたくない






『…るんだよ』


包帯を巻きながら小さな声でささやいた


「えっ何?」


声が小さすぎて、案の定晴奈に聞こえていなかった




『…晴奈に死なれたら困るんだよっ!』


自分の顔がみるみる熱くなる





こんな恥ずかしい事を言ったのに晴奈は黙ってぼーっとしていた


『おいっ!?』


少し焦ったように晴奈を揺する


「あっはい!」


晴奈も動揺しているようだった



『なんかさ晴奈、心配してるみたいだけど…

初めは確かにあんまりお前の事考えてなかったけど…



俺、ちゃんとお前の事思ってるからな!

っていうかお前しか思ってないから』

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