第20話
『美波~っタバコ買いいくけど来る?』
「いく~っ」
付き合ってからもデートとかしなくても、今までと同じように成也の地元の溜り場に美波も来ていて地元の奴らと一緒に美波とも遊ぶ感じだった
だから二人きりになる事もあまりなかった
「熱いんだよお前らっ」
そんな二人を聡はいつもからかっていた
『早く乗れっ』
「よっと!!」
成也のバイクの後ろは美波の特等席だった
ギュッ
美波はバイクに乗ると成也に抱きついてくる
そんな美波に逢えば逢う程どんどん成也は美波にはまっていった
周りにはあまり見せない可愛い笑顔や、たまに甘えてくる仕草とか、成也だけに見せてくれる美波の一面が可愛くて仕方がなかった
「聡くんにもタバコ買っててあげよっか!」
『そだなぁ』
「…ちょっとそこ座っていこう」
タバコの自動販売機の後ろにあるベンチでたまに二人きりで座っていたりもした
二人きりになると甘えだす美波は成也にベッタリだった
「成也大好きっ」
思った事をそのまま言葉にできる美波と
「…成也は?」
『…え…まあ…
あれだよ、あれ』
あの頃、恥ずかしくて気持ちを素直に言葉にできなかった俺
だけど
言葉にして伝えなくても自分の気持ちは伝わっていると根拠のない自身を俺は何故か持っていた
そのせいで順調だったはずの俺らの関係は俺の気付かない間に徐々に変わっていっていた
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