第34話

その頃の晴奈は



【リストカット】


を繰り返していた



中学の頃から振られたり嫌な事があるとすぐに

剃刀を手首にあてていた



今では

なにもないのに切ってしまう



何か足りないものを補うように……




それを知っていた友達は止めてくれた人もいた


離れていく人もいた




だけど…






やめられなかった



この気持ちはリスカをやってしまう人にしかわからない



わからなくていい感情だった




死にたいわけじゃない


『死にたい』


と言っていても本当に死にたいわけじゃないんだ






落ち着く…



そんな気持ちだったかもしれない



生きてるんだって思えて落ち着いたのかもしれない



誰に止められても無駄だったんだあの頃は



自分がどうでもよかった

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