13
次に視界がひらけたとき、目の前には拳と共に数人の男たちが立っていた。
どうやら、背後からズタ袋のようなものを被せられたようだった。
両手は後ろ手に縛られている。
「お前ら、そこに座れ。」
一人の男が淳たちの前方の床を顎で示しながら、冷酷な声で命令した。
淳たちは無言で従い、男たちの前に並んで座った。
心臓が激しく鼓動し、手汗がにじむ。
男たちは一見して、カタギではないことが分かった。
それだけ、彼らの持つ威圧感は尋常ではない。
「余計なことをしやがったな。」
一人の男が口を開く。
「でも...それは...」
拳が震える声で反論しようとしたが、男たちの一人に殴り倒された。
「お前らがやったってことはすでに知れ渡ってる。サツが嗅ぎ付けるのも時間の問題だ。」
別の男が冷たく言った。
「ちょっと待てよ...俺たちはただ指示に従って...」
淳が言いかけたが、その言葉も遮られた。
「連れていけ。」
男たちのリーダー格が静かに言い放つ。
その言葉が淳たちに何を意味するのか、瞬時に理解した。
彼らはパニックに陥ったが、男たちはすでに行動を起こしていた。
淳たちは無抵抗のまま捕らえられ、工場の奥に引きずり込まれた。
「やめてくれ!俺たちは何も…」
拳が叫ぶが、その声も無情にかき消される。
「悪く思うなよ。」
男たちのリーダーは冷たく言い放ち、その瞬間、彼らの運命は決まった。
淳は恐怖に震えながらも、友人たちを見つめた。
莉香、拳、桃子の顔には絶望と恐怖が浮かんでいた。
彼らはその後、次々と命を奪われた。
淳が最後に見たのは、友人たちの血に染まった姿だった。
「ああ、自分の人生はここで終わるのだ」と悟った時、彼の心には一瞬の平穏が訪れた。
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