偉人

ぽつねん独り

偉人

みんなと見てる昔の偉人は

焼き固まった陶器の中で絵の具に揺られて泳いでる


みんなを見てる現世の僕らは

勝手に動くろくろの上で色を持てずに回ってる


絵の具のことも

固まり方も

漆のかゆみも

知らないけれど


いびつな形で伸びている


心の柔らかさも

染まり方も

命の形も

知ってしまったけれど


変わらず僕は

誰も知らない形に伸びていく


だからまだ

色はいらないんじゃないかな


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

偉人 ぽつねん独り @potsunenhitori

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ