第60話
そう、私は結局バスケ部には入らなかった。
バスケへの未練が、他の部活に入ることも、許してくれなかった。
元々女の子向けの部活が少ないこともあって、クラスの女の子は亜里沙も含めて結構帰宅部の人が多いから、あまり部活に入らないことへの抵抗もなかったし。
「あ、そういえば、みなみちゃん覚えてる?この前私と一緒に陸の試合観戦してた人」
「ああ、分かるよ。あの子マネージャーになったばかりだけど、めっちゃ詳しいし気が利くし助かるわ」
「でしょ~、すっごいいい子なんだよ!」
「紗葉とは違って?」
「うるさい」
毎日同じ応酬ばかりなのに、全く飽きないし、むしろ毎回楽しいのは、恋の力なのか。
陸は私の世界に鮮やかな色を付けてくれる人で、ひとりで帰る日は、まるで冬が秋を飛び越えてやってきたみたいに、物寂しい気持ちになる。
きっと冬になっても、陸と一緒にいれば、私の世界は春がやってきたみたいに可愛く、淡く色づくのだろう。
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