第53話
最近は落ち着いたみたいだけど、入学してすぐの頃は、他のクラスから女の子が性格ワル男を覗きにやってきたりしていて。
明らかにイライラしている森山を見て、顔がいいのも大変なんだなあ、って思ったりもした。
まあだからって、すべて森山くんはクールだから!の一言で周りが納得してるのは許せないけど。
◇
昼休み終了のチャイムが鳴って、昼休みでばらばらに散っていた椅子も机も、そして人も、もとのあるべき場所に戻っていく。
ガラリ、教室の前のドアを開けて入ってきたのは、クラスの担任のまるちゃん。
詳しい年齢は不詳だけど、たぶん20代。未婚。
“まるちゃん”と呼ばれるのにふさわしく、まるまるとした見た目をしている数学教師。
今日は、テスト返しの予定のはずだったけど、手に答案用紙らしきものを持ってなくて、クラスメイトがそわそわと不思議そうに目を合わせる。
「え、えーっと、今日はテスト返却の予定だったけど、変更してロングホームルームにしまーす、ゴメンネ」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます