第70話
これが、私なりの、エースの守り方なのです。
「あの、放課後!部活ない日。私と教室で勉強しませんか…?てか、しよう!」
「え?」
「いや、勉強するっていうか、勉強教えて!ね!」
ちょっと、無理矢理だった気がするけれど。
なんとか、約束を取り付けた。
頭のいい、呉月くん。
その人と毎日ではないにしろ、放課後の時間を過ごすことが出来て、勉強を教えてもらえるなんて…!
私、すごくない?頭良くない?
――うん、そうだ。このくらい、明るく行こう。
呉月くんに、元気を分けてあげられるように。
窓から見える、黄色に染まりかけたイチョウのように、明日からの日々を楽しく彩りたいな、願ったその日。
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