第29話

そんなことを思っている間に、キーンコーンカーンコーン!と朝の予鈴が鳴って。



椅子取りゲーム軍団も、わらわらと自分の席に戻って行く。




それを機に、「じゃ、」そう言って、呉月くんは私の前から、いなくなる。



なかなか閉まらない歪んだロッカーにイライラしながら、ガタン!、その気持ちをロッカーに閉じ込めた。



* *




その日の給食終わり。今日の最後の授業。6時間目。




古文の先生の敬語についての説明が、カツカツ、と紙に何かを書く音しか聞こえない教室に響き渡る。




休み時間はふざけ、授業は真面目に聞く。





頭がいい人たちは、けじめのある生活を送るのが上手い。

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