第30話

それはこの進学校に入って、本当に頭の良い人たちを見て、感じたこと。



私だって中学の時には、テストで学年5位以内にはほとんど入っていた。



それでも同レベルの人たちが集まるこの学校では、中の下とか、下の上とか。



最初は悔しかったけれど、なんだかこの頃は自分の中で整理がついた。



自分のできる範囲で頑張ればいいんだ。




昨日、呉月くんと話して、思ったこと。『大学受験の勉強だけじゃ駄目。』



それをふと思い出した私。



机の上に置いてある電子辞書を、パカ、と開く。




まずは古語林で教科書にも出てくる有名な歌人を調べて。



リンクしてある、その歌人の代表歌に飛んで。




それを繰り返すうちにたくさんの和歌に触れた。



和歌って、おもしろい。


初めてそう思うことが出来た。

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