第26話

そんなことを思いながら、じー、っとモンスターを見つめてしまう。



正面にいた本人は、少し居心地悪そうに、私と視線を合わせる。




「なんですか、橋本さん。」



「あ…!いえ!モンスターってやっぱりエースだなって!」



「モンスター言うな。てか、エースってなんだし。俺野球部じゃねえよ?」



「知ってますよ。弓道部ですよね。」



「そうです、はい。」



「…………、はい。」



「…………………。」





やばい、完全につまった。なに話そうかな。



ちら、横目で椅子取りゲーム集団を見遣るけど。



やっぱりまだ呉月くんの椅子を使っていて、エースは自分の席に戻れなさそうだ。



焦ると、あり得ないことを口走る私。



今までもその特性で、色々なことをやらかしてきた。

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